沸点の低い人

クリスピー・クリーム・ドーナツが有楽町にできたのを受けてある人が出勤前にドーナツを買いに出向くと、開店時間である7時半よりも前に店に到着したにも関わらず既に行列ができていて購入まで30分ちょっとかかった、という話を同じ仕事場の女子にしたところ大爆笑されて吃驚。そこまで面白い話をした覚えはないのだが。それ以外にも彼女と話をすると、私の話に対していちいち大爆笑なのである。こういう人が『笑いの沸点の低い人』なのだろうか。或は私にホレてて、私が何をしようが全てが好ましく感じられてしまうのだろうか。一緒にいるだけで幸せなの、とか。
一緒にいるだけで幸せなの、で思い出したが、夕食に歌舞伎町にあるタイ料理屋に行くと隣の席の女子二人組の話題は恋愛話で終始一貫していた。若いのだろうか、と思ったがどうみても私よりも年上で、むろん三十路だからといって恋愛話をしてはいけないわけではないけれど、話題のレベルが昔の女子中高生レベルであったのが驚きであった。『彼に振られたらどうしよう〜』『でもはっきり付き合いたいって言わないと伝わらなそうだし』『今一番会いたい人が彼なの』『振られたら慰めてね』『あ〜あ、寂しいクリスマスになっちゃいそうだな』等々。そして凄かったのがその後。片思いの相手はオーストラリア人らしいのだが、『でも結婚までのハードルは高いよね』と、付き合ってもないのにもう結婚まで考えている! 私はてっきり、まだ付き合ってもいない相手だから、そんな人と結婚までこじつけるのは至難である、という意味だと思ったのだが、実は『私ぜったいオーストラリアには住みたくないし。ジャパンがいい』とまだ付き合ってもいないのに自分の都合のみで結婚のハードルが高いといっていたのだ! ちょっと妄想が過ぎやしないか?
しかしこういう話題で盛り上がる人って本当にいるんだなぁ。今までの人生で一度も『振られちゃったらどうしよう』という時期がなく、かつ友人たちもだいたい私と同じような人々ばかりであったので、こういう会話に興じた事は全くない。そして仮にこういう話題になったとしても、それに興じる事は多分ない。でも他人が話しているのを聞いている分には驚き半分、面白さ半分である。