生きさせろ!

生きさせろ! 難民化する若者たち

生きさせろ! 難民化する若者たち

雨宮処凛の「生きさせろ!」を読んだ。読み応えがありとても面白く、かつ、不安定な雇用形態により生活が苦しい状況に置かれている人の実情を知ってなんだか怖くなったりした。今は私は適当に校正やって収入を得ているが、いつか仕事がなくなるのかも!?と。どうしようホームレスになっちゃうかも、働けど働けど我が暮らし楽にならざりじっと手を見る、とか言ったらうちのやつに「たいして働いてねーじゃん」と言われた。いいじゃん別にねぇ、金の無心ばっかりしてた石川啄木の言葉なんだから、あんまり働かないでお金がない私が彼の言葉を引用するのは寧ろ正しいというか、詠み人の心情により近いというものである。
「生きさせろ!」の話に戻るが、これね、ほんと皆さん読んだ方がいいです。すごく考えさせられるのです。ただ残念なのは、これ太田出版から出てるんだけれど誤植とか誤変換とかかなりあるのである。折角すごい内容なのに『その際たるもの』とかさ、『お祖父と祖母』とかさ、何故だかちょっと『おすぎとピーコ』を思い出したけどさ、引き込まれて読んでたのにちょっと冷めるというか、まあ残念ではある。これまさか作り手がワーキングプアではあるまいね? 働かされすぎて誤変換に気づきにくいとか。
で、あんまり間違いが多いので、前に読んだ人が(図書館で借りてきた本なので前に読んだ人がいるのである)間違いの部分に鉛筆で「トル」とか書きこんでいて、「トル」はまだいいのだけれど、よく読めば間違いではない部分に傍点書きこんで線を引き出し「これは誤り」とか書いているのが大変癇に障った。別に間違ってねーじゃんよー、その割に『お祖父と祖母』はスルーだしさー。それとも何か? 最近ではじいさんのことは『お祖父』って表現するのが流行りなのか? ともあれ、図書館の本に、鉛筆とはいえ校正のまねごとするのはやめてください。どうせなら自分で本買って校正し、それを出版社に送りつけてやってください。