車内にて

体長1センチ、百足なみの多足で黒地に極彩色の黄色と恐ろしい容貌で、私のこれまでの人生では見たこともないような虫が、イケメン風男性の頭髪上を這いつくばっているのを見た。本人は自覚がない様子。これが私だったら…、なにげなく髪に手をやったらそこには恐ろしい虫が!! ヒィ〜〜! 死んじゃう! 一体どういう経緯で彼の頭部にこんな虫が。ひとごとのように書いているが、この瞬間すでに私の頭髪上にもあれがいたりして。こ、怖いよ〜。羽もないのにどうやって。実はペットとか? 自力で人の頭部に乗っかる能力があるとしたら怖いので、ペットに一票を投じたい。
(追記)
帰りの電車で偶然にも頭に怪虫を乗せていたイケメン風男性を再び見かけたのだが、その頭部にもはや怪虫の姿はなかった。やはりペットではなかったらしい。彼は気づいたのであろうか、自分の頭部に怪虫が乗っていたことに。もし気づいたのであれば彼はさぞかし驚いたことであろう。気づかぬうちに自然と怪虫がどこかに落ちたのであればよいが。