38度の郷愁

東京は場所によっては39度を超えたらしい。7月の最高気温としては観測史上最高だそうだ。炎天下の午後2時、通りを歩きながらあっついなぁ〜、死んじゃうよ、アタマおかしいよこの天気、などと思っていたのだが、ふと自分のこの言葉に偽りを見出してしまった。こうまで高い気温に対してはこのような感想を持つのが妥当であり、かつ一般的でもあるだろうということで、一般人を演じていたようなのだ。では私の本心とは?どうもこの気温に郷愁を感じていたらしいのだ。思えば1年前、私がフィレンツェに住んでいた頃は連日38度とかそれ以上の気温であった。勿論一般住宅や公共機関(バスとか学校)に冷房設備などない。脳みそ煮えちゃうんじゃないかという恐怖を抱えながらも最終的にはそんな危機感すら認識できないくらいの暑さの中で日々を送っていたのだった。うん、なんか懐かしいよね、この暑さ。でもフィレンツェの方がジリジリと焼けるような暑さだったよ。