愛新覚羅溥儀の弟

随分前のことになると思うが、NHKの歴史番組(恐らく"その時歴史は動いた"だと思われる)で宣統帝溥儀の特集を見たのだ。満州国皇帝の座にあったときは彼は熱心な神道の信者で、自分の宮殿の中に神社を造らせ、ご神体の鏡を日本政府に何度も何度も要求したりし、ご神体がそろうと日に三度はおまいりしたそうだ。しかし終戦ソ連につかまった後は完全に社会主義にそまりレーニンスターリン万歳!とのたまって日本のことは悪し様に罵ったという。
私は溥儀というとあの映画「ラストエンペラー」の印象しかなかったのでこの事実には大変に驚かされた。この変わり身の早さには半ば惚れ惚れとするほどだ。人間臭くてよい。
溥儀の弟(確か溥傑)はこの兄の行動様式を後にこう述懐したという。
「兄は骨のないクラゲのようなものだ」
映画観ただけでは全然そうとは分からなんだ。ここまで書いたことは、なにぶん大昔に見たテレビによる情報なので時を経るにつれ私の頭の中で徐々に事実と異なる様相に変わっていってるかもしれないが、この溥傑の言葉だけは忘れられない。実際のところどうだったのか調べたいけど、どうすればいいのかな。こんなことを今日は唐突に思い出して一日中気がかりであった。