やる気を奪う部屋

それは私の部屋である。室内にはどんなものがあるか。サモトラケのニケのレプリカが机上にあり、壁にはビアズレー、ダリ、アングル、ヒエロニムス・ボスのポスターが飾ってある。本棚にはびっしり本が詰まっている。ここまで全て事実であり、これを読む限りだとなぜやる気をそがれるのか分かりにくいだろう。寧ろ文化的で居心地のよさそうな部屋のようにも受け取ることができるだろう。
しかし、上にある内容が全てではない。本棚に収容しきれなくなった本はいたるところに積まれている。本以外のものもひしめき合っているので足の踏み場もないくらいだ。机の上もよくよく考えると使っているものはノートPCのみなのだが、なにやらよく分からない物に場所を占有されて字を書くゆとりすらない。かくて私は何か字を書くときはベッドの中で横たわりながら字を書くことになるのだ。勉強するのもベッドの中。読書もベッドの中。ベッドさえあれば生きていけるんじゃないか?
要するに部屋を片付ければよいのだ。それで全ては解決するしやる気も殺がれずに済むかもしれない。しかし、私はある重大な事実に気づいてしまったのだ。私の部屋、とっくにサチってる。収容能力の限界を超えているのだ。だから片付けようがない。言い訳がましく聞こえるかもしれないが、これは事実なのだ。そろそろ専用の図書室を持つべきかも知れない。持てるかどうかといったらスペース的に無理なんだけど。