見たことも聞いたこともない石

「366日誕生石の本」(ISBN:4529026949)というのがある。月ごとの誕生石というのは大抵の人が知っているであろうと思われるが、自分の生まれた日ごとの誕生石をこの本では紹介している。そして私の誕生日の石はグリーンドアメジストとかいう石だそうだ。アメジストに確か600度以上の熱を加えると緑色に変化するとか書いてあった気がするが、1分にも満たぬ間の立ち読みだったので定かではない。なんだ、人工的に手を加えた石か。私は人工か。ちょっとがっかりしないでもなかったが、それ以上にこのグリーンドアメジストという石の存在は初耳だし、当然ながら見たこともない。私はペリドットアメジストのコンビネーションが好きなので頭の中で勝手にこの2色が一つの石に同居したようなもののイメージを作り上げてしまった。しかし先ほど検索してみたところ、出てきた画像はボケた黄緑。あんまり美しくない。しかもこの石を誕生石に持つ人は「趣味はと尋ねられると『読書と貯金』と答えるでしょう」だって。読書はするけれど貯金なんか全然ない。この貯金をする度合いにマイナスかけたら今の私になるかも。絶対値は一緒かも。いや、違うな。マイナスかけたら借金があることになっちゃう。貯金もないけど借金もないのでそれは適正な表現ではないだろう。この本にはこんな程度のことが書かれていて、私としては全く面白くなかった。こんなことなら「誕生日事典」(ISBN:4047913510)のほうがずっと面白かった。こちらによると私の長所短所は「創造力がある」「適応性が高い」、「すぐ現実逃避する」とあり、短所のほうがめちゃめちゃ当たっててかなり笑えた。
石の本のほうに話を戻すけれど、私の誕生石が見たことも聞いたこともない、ボケた石であるのは至極もっともなことであろう。だって366日で全て石を変えなきゃいけないんだよ。まずそれだけの種類の石の名を集めるだけで一苦労だ。それから適当なことをでっち上げてそれぞれの日に割り振らなきゃいけないんだから大変な作業だ。有名どころの石が当たる人は相当ラッキーといえよう。ま、その程度の本だけどちょっと立ち読みする分には悪くないかもしれない。