赤子並み

一度手を出したら確実に他のことが何も手に付かなくなり、勿論睡眠時間だって削ってしまうだろうと自覚があったためにゲームには今まで目を向けないようにしてきた。実際、院生時代に先輩のうちでプレステをちょっと触らせてもらっただけで、他の人々は既に寝てしまったというのに一人で延々朝までゲームをやり続けた。ウィンドウズにデフォルトで入ってる、さしたる面白さの無いゲームですら徹夜したことがある。終わりどころが、引き際が分からなくなってしまうのだ。
にも拘らずついにゲームに手を出してしまった。本を持たずに乗ってしまった電車の中、手持ち無沙汰であった私は携帯を玩びはじめた。なんだ、これ。ゲームか。どんなゲームだ?それが全ての間違いの始まりだった…。入ってたのはRPG、一番たちが悪いではないか。話が終わるまで他の事を考えられなくなるだろう。冒頭に書いたとおりの状況に陥ってしまった私は寝ても醒めても携帯片手。寝る前にちょっとだけ、とベッドに入ってからもゲームを続け、気が付いたら朝、目覚めると携帯を収めたままである私の片手を目の当たりにして驚いたことも再三。何かやりながら寝ちゃうなんて赤子並ではないか?子どもというのは遊んでいる最中でも眠くなると、大人の感覚では思いもよらないようなところで突発的に寝始めるものである。その点でゲーム真っ最中の私は赤子状態にあるといっても過言ではないであろう。年をとって集中力に衰えを感じていた私であったが、対象によってはまだまだ余裕であることが判明。喜んで良いんだか悪いんだか。