愛情セミナー

遠藤周作著 \200(古本) 集英社文庫
風呂本として購入してきた遠藤周作エッセイである。今までも狐狸庵シリーズは何作か読んでるが恋愛論は初めてであった。一番感心したのは残り4分の1の子育てに関する文章。愛情とは別段男女のそれに限ったわけではなく、子に注ぐ愛情についても論じてあったのだ。何に感心したって、それは子供には極力親の情けない部分を見せるべきで偽善はよろしくないという説である。全く同感だ。親をあまりに立派だと思って育った子供は自身が長ずるに従い、親の人間的に未熟な部分を受け入れることができなくなるだろう。それはよろしくないよな。敬意は払うべきだと思うが盲目的に立派だと思い込む必要は無い。前々から思っていたけれど、私は遠藤周作のような人物になりたい。