日記がつまらない。

ここ数日分の自分の書いた文章を振り返ってみると、実に面白くない。何のために書いてるんだか全然分からない。書くネタがないのであればやめておけばよいものの、毎日更新することが半ば強迫観念と化してしまっているためにままならない。読んでくださっている皆さん、つまらなくてすみません。表現力磨くためにもっと精力的にワイン飲みます。
ところで表現力といえば、大学時代の先輩に巧みな人がいた。彼女がとある西のほうの大学のゼミに出席したところ、出席した面々の人相がすごいことになっていたと言うので一体どんなものだったのか尋ねてみると、さらりと一言、こう返答された。
「妖怪の集会だった」
咄嗟にこのような表現、なかなか出来るものではないだろう。端的にこれ以上ないくらいに情況を表している上に韻まで踏んでいる。このとき以来私はかの大学の特性を現す際には積極的にこの表現を用いている。
高校時代の同級生にも一人すごいのがいた。学部生時代に高校からの友人たちと沖縄を旅行したときのことである。何をしてたんだか忘れたが、なにか遊ぶのに夢中になっていた我々は体感的にはまだ午後3時くらいのつもりだったのだが、ふと時計を見るととっくに夕刻になっている。驚いた私が「早いねぇ、もう六時だよ」というとその友人は、
「ええ、もうろくジジイ」
と切り替えしてきたのだ!しかもこちらの衝撃をよそに彼女はさっさと自分の興味の対象の方に去っていった。突然のことに私はもう何を言われたんだか理解しがたく、だんだん情況が飲み込めてくると友人にジジイと言われている自分がそこに存在することに気づき、後はもうただ笑うだけである。この旅行の間に彼女はもう一つ名言を残したのでついでに記す。夕食を済ませてから我々は夜の那覇を満喫しようと街に出た*1のだが、件の彼女は腹具合が悪くなり、先にホテルに戻ってしまったのだ。遅れてホテルに戻った我々が彼女に具合を尋ねると眉をひそめてこう一言。
「う〜ん、もうちょっとでビッグベンが出そうなんだけど…」
彼女以上の表現力を持つ人物を、私は未だ知らない。

*1:といってもやったのはなぜか古本屋めぐりだった。同行のうちの一人は帰るまでには本が10冊に増えており、しかも中の一冊はよりにもよって富島健夫の「おさな妻」。夜毎就寝前に名シーンを我々に朗読してくれたものだ。