公共物について気を引き締める

私は以前、割と潔癖症であった。お金なんか触ると直ぐに手を洗っていたし、電車のつり革なんか全く信用していなかった。だがこのような生活は長くは続かないものである。手に触れる全てのものに対して不信感を抱く生活は想像以上に神経をすり減らすからだ。ゆえに加齢とともに公共物に対して意識が低くなっていった。
しかし、この私の精神のたるみ具合を見透かされたのではと思わざるを得ない状況に出くわした。30代後半くらいの男性が雑誌を立ち読みというかしゃがみ読みをしていて、その時点で「せめて立ちたまえ、君」と注意を促したくなるのだが、その点は今は不問に処す。そんなことよりも大変なことをしていたのだ、この男性は。何してたかって、雑誌読みながら自分の人差し指を自身の鼻の穴につっこんでいたのだ。売り物になんてことをするのだ!と思いながらもあまりの事態に身動きとれず、図らずも彼の行動を見守っていると今度はその指を口の中に入れたのだ!!もうほんと勘弁してください。私は泣きたくなったよ。そんなもの見たくなかったよ。そんなシチュエーション、一生知らないまま生きてゆきたかったよ。気持ち悪くて吐くかと思っちゃった。
よく分かった。私が間違っていたのだ。やっぱり世に存在する多くのものは思っているよりも汚いのだ。信じてはいけないのだ。年とってゆるくなってる場合じゃない。皆さん、雑誌を買うときは十分に注意をしてください。平積みの上のほうは折れ曲がって汚くなっている以上に、何らかの物質によって汚染されている可能性があるのです。恐ろしい世の中だ。