「学生で通るよ!」とその気にさせられる

ぼけーっとしながら歩いていたらばキュビズム美術館に出くわしたので入ってみた。ヨーゼフ・チャペックってカレル・チャペックの挿絵くらいの印象しかなかったけどキュビズムもやってたのね。ただ私の好みから言うとキュビズム絵画は結構どうでも良かった。やはり素晴らしいのはキュビズムを取り入れた家具や建築だ。美術館の階段の手すりなどもキュビズムになってるんだけど、こんなところに私は住みたい。
そして更にぶらぶら歩くとスメタナホールの前に来た。チケット売りのお兄さんが凄い早口で声をかけてきて、「スメタナホールは世界でも最も美しいホールのうちの一つなんだ。これは是非見るべきだよ。ところでキミは学生?(残念そうな顔をして)そうか。(気を取り直して)でもキミなら絶対大丈夫だよ!学生でも通るよ!学生チケットなら100コルナも安くなるんだ!これは絶対見るべきだよ。そしていっぱい写真を撮ったらいいよ。」すごい剣幕である。言葉を挟む余地などない。なんとかその場を立ち去りたかったのだが、なんと言うべきか迷い、そうだ、チケット売り場を聞いてその方向に立ち去るふりをすればいいじゃん!我ながら妙案、と思って尋ねるとチケット売り場まで案内されてしまった。そして窓口のおばちゃんに「彼女学生だから」と言い、私には「じゃあね!」とウインクして去っていった。ばかだなぁ、私は。結局チケット買っちゃったよ。コンサートは明日です。