マゾッ気ないと生きてけない

月曜日くらいから忙しくなるらしい。どの程度の忙しさなのか想像もつかないけれど、まあ私は大丈夫だろうな。体力的にはきついかもしれないけれど、年だから。でも忙しくてもあんまり精神的にはきつくない。去年の秋くらいに編集の仕事をしたいと思い立ち、いまこの仕事についているのだけれど、就職する直前くらいに19歳の少年と話したときのこと。就職の面接のときに「休みは日曜と祝日のみ」「朝は9時45分から終電くらいまで働く」と言われていて、まあ実際その通りになっているんだけれど、そういう状況で働くという事を聞くと世間の人は概して「私だったら耐えられない」とかその手の反応を返してくる。私自身は別段きつくもなんともないし、別に全然問題ないんだけれど、とりあえず「体力が続くか心配なんだ〜」などと適当に濁したりしていたのだ。
普通の人の反応が予想できていたのでその19歳の少年に就職することを告げたときも、彼が何かを言う前から面倒なのでこちらから「休みがないのがちょっとね〜」みたいなネガティブな反応をしてみたのだが、さすが19歳である。眉根をひそめて「そんな事言っちゃダメ!好きでその仕事をするんでしょ!」だって。だけど平日の夜、10時代に私んちの家電に電話かけてきたりしてて、そんな時間に家に居るわけないじゃん、わかってんのかね?この子どもは、と思っていたのだが、やっぱり何も分かってなかった。先週の土曜の夜に電話で話したのだが、私の帰りが遅かったのでどこかで遊んできたと思っていたらしく「今度飲みに連れてってよ」などという。こっちはしらふで働いてんだよ。子どもに酒飲ます暇なんかない。その辺で適当に合コンでもやってなさい、とは言わなかったが、断っておくけど私は土曜は仕事なんだよ、休みじゃないんだよ、と言ったらめちゃめちゃ驚いてた。「え〜、そんなに働いてんの?大丈夫?」だって。「好きでその仕事をするんでしょ!」って言ってたくせに、まったくもって青臭いね。さすが10代だよ。
さて、私は「大変だ、大変だ」などと言い、いっぱいいっぱいになりながらも仕事をこなす自分が結構好きである。追い詰められながら働いている状況は私にとってやぶさかではない。というのもそういった状況から解放されたときの感覚が、私に言わせれば中毒性があると言うか、えもいわれぬ解放感、充実感があって心地よい。いつからこんなマゾ人間になってしまったのだろうか。…考えるまでもない、院生時代だよ。大学院に入院したおかげで人間性がこんなになってしまいました。入院には慎重に対処しましょう。