里伽子とホーロー鍋

何度もこの日記に登場していることであるが、私はル・クルーゼのホーロー鍋を愛用している。この鍋の良さは熱伝導率がどうとかいろいろあるようだが本当のことを言うと私はそういう理屈の部分をよく分かっておらず、料理好きの人々が「美味しくできる」と口を揃えて言っている所から「きっと良いのだろう」と断じ、実際使ってみると本当に良いのだが、その鍋の重み*1を手に感じるごとに、重さと同じくらい値段も高かったことをしみじみと思い出すのであった。
この重いホーロー鍋であるが、値段以外にも思い出すことがある。それは里伽子…。私が中学生の時だが、徳間書店刊の「アニメージュ」という雑誌を購読しておった。うるさいなぁ、オタクじゃないよ。単に「不思議の海のナディア」と「銀河英雄伝説」が好きだっただけだよ。悪いかよ。オタクになれるほどの集中力も執着心も持ち合わせてないんだよ、私は。もとい「アニメージュ」に氷室冴子が「海がきこえる」という小説を連載しておって、そのヒロインの名が里伽子だ。父親の浮気が元で両親が離婚し、それまで東京に住んでいたヒロイン里伽子は母親につれられ、母親の郷里である高知に引っ越す。その里伽子が高知で知り合ったのが、主人公の男なのだが、こっちの名前はもう失念した。とにかく里伽子が主人公を引き連れて東京に行き、父親の住むマンションだかなんだかに行くと、そこにはもう新しい女も住んでいたのだった。
そこで里伽子が父親の新しい女を批判するのだが、「ホーローの鍋なんか使っちゃってさ」とかなんとか。中学生だった私はホーロー鍋が批判の対象になりうるという事実をそこで学んだのだが、何故それが批判対象になりえたのか、原因までは分からなかった。…あれから14年。私もホーロー鍋使いになったのだが、里伽子よ、いまだに分からんぞ。何故ホーロー鍋はダメなのだ!?里伽子、里伽子よ!!

*1:重いと言っても所詮鍋なんてたかが知れてる、と思ってるそこのあなた、鍋なめてんじゃないぞ。一度持ってみたまえ。