博愛精神旺盛な方に告ぐ

ひと頃の私の横井熱はいったいどこへ行ったのだろう…。あんなに夢中になっていたのに。もはやブログペットのYOKOIに触れることすらしない…。しかしだね、今さらながら思うのだが、私が小野田さんじゃなくて横井さんに夢中になったのは、至極私らしいと思う。だって小野田さんなんかエリートじゃん。ストイックな武士って感じじゃん。横井さんの方が普通の人っぽくていいよ。横井さんと小野田さんを比べてどっちが良いってのも何だけれど。
ところで、私は今、「水木しげるのあの世の事典」が欲しい。「水木しげるのあの世の事典」だ。すごく欲しい。とても欲しい。しかしだ。2415円。高い。高いよ。高校、大学時代は書籍が3000円だろうが4000円だろうが何も考えずに即購入していたものだが、自分の食い扶持を自分で賄っている現在、水木しげるに2415円は非常に高い。そう思いませんか?でも欲しいのだ。高校時代の後輩で、さして面識のなかった男の子と図書委員会だか文芸部だかの会合で同席した際に、とある生徒が会議室の片隅にこの本が置かれているのに気づいて「なんだこの本」と怪訝そうな声をあげたとき、上記の彼が「あ、それオレのだ」と挙手していた。彼自身も何故自分のその本がその会議室に置かれていたのかは分からなかったらしいが、その時の彼の言葉が今も忘れられない。
「小学校低学年の頃、両親からのクリスマスプレゼントがこの本だった。水木しげるの絵で描かれたダンテはとても奇妙で、自ら『地獄に行った』と言い張るなんて、どれだけ変な男かと思っていたら中学の教科書に出てきたのでとても驚いた」
その水木しげるの描く所の奇妙なダンテをとても見てみたかった。だが、割と奥ゆかしい性格だったために口もきいたことのない、下の学年の男子生徒に向かって「ちょいとアンタ、それをこちらにお寄越し!」などと言えるわけがなく、内心密かに「今度本屋で見てみよう」と思ったまま12年の歳月が流れたのであった。12年越しで蘇った記憶に戸惑いながらも、その本を欲する気持ちは未だ萎えていないどころか寧ろ12年という歳月がその想いをさらに強くしたのであった…。
奇跡に近いが今日、この本のことを思い出したのでね。どうしても欲しくなったという話です。本当に欲しいです。「水木しげるのあの世の事典」です。欲しいです。ホラ!私の気を引きたいと思っているそこのアナタ!今がチャンスよ!「水木しげるのあの世の事典」をプレゼントするだけで、きっとハートを鷲掴みよ!!
安いなぁ、私のハート。