グッバイ、レーニン!

グッバイ、レーニン! [DVD]

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図らずもベルリンの壁がらみの映画を2日続けて観ることになったが、これもCSでやってたのを録画した。この映画、好き。前から観たいと思ってたけど、予想以上に良かった。熱心な社会主義者の母がベルリンの壁崩壊以前に心臓発作で意識不明になり、意識が戻ったのは東西ドイツが統一後。ショックを与えたら死んでもおかしくないと医師から宣告された主人公は母親に壁崩壊の事実を知らせないように細心の注意を払って、現在もまだ東ドイツのままであるフリをするという話だったのだけれど、こんな筋書きじゃ伝わらん位に面白かった。
率直に思ったことを書く前にエクスキューズを入れるが、私は今までドイツなんて興味を持ったこともなければ行きたいと思ったこともない、あ、ちょっとだけ嘘だった。書いてて思い出したぞ。ここにそれを書くのは恥ずかしいんだけどさ。ええい、ままよ。己の恥を晒して生きるぞ、私は。中学生ン時、田中芳樹銀河英雄伝説にはまってました。キャーッ!!書いちゃったわ!今にして思うと滅茶苦茶恥ずかしい!そんでもってこの話、漢字のルビがドイツ語だったり(「新無憂宮」に「ノイエサンスーシー」とか)、登場人物の名前の半数がドイツ系だったりしたもんで、当時理工系の大学に通っていた兄の本棚からドイツ語の辞書(理工系の学生は無目的に考えもなく第二外国語にドイツ語を選択することがある)を掠めてきて、一人で延々と読みふけって辞書遊びに興じてたことがあるよ。それがほぼ唯一の私とドイツとの接点だな。
要するに何が言いたいかというとドイツに関して殆ど知識がないということなんだけれど、昨日の映画といい今日のといい素朴に不思議に思ってしまうのは、国民が命がけで逃げ出す国ってどうやったらできあがるんだ?ということ。勿論、例えば今の北朝鮮のように、日本で報道されて私が知っている範囲内で考えれば脱北して当然なのではないかと思うのだけれど、東独の場合は、なんで昨日の映画のように必死になって体制側は西に間諜を放ったり、情報統制したりしてんのかね。何のメリットがあるの?なんで幸せに暮らそうと出来ないんだろう、というのは平和しか知らぬ愚か者の戯言なのだろうか。戯言でも全然構わんのだけれどさ、だからこそ余計そこんところが気になる。そこんとこ知りたい。どういう経緯でそういう状態にまで至ったのかが知りたい。まあ、勉強すればいいってことなんでしょうけど。
それからもう一つ。今日の映画の映像を漠然と見てなんとなく、やはりチェコはドイツの影響を(良い意味にしろ悪い意味にしろ)色濃く受けているんだろうな、ということ。いや影響を受けているのは間違い無いのだと思うけれど、映像を観ていて、そう感じたんだよ。それでほぼ1年前のチェコ旅行のことなど思い出し、しみじみと再び、あぁ私はチェコが好きだなぁ、などと思い、チェコを知るためにも一度ドイツに行ってみてもよいかもしれない、と思ったのでした。そういやピナ・バウシュはヴッパタール市だったな。本場で踊りを見たい。俄かにドイツへの関心が高まってきたのを自覚しつつあるのでした。