昨日のクッキ

相変わらず微妙に韓国ドラマ見てます。いやチャングムのときは微妙どころかかなり熱心に見てたけど。現在努めてみるようにしているのはBS2木曜夜10時からの「クッキ」。1950年代のソウルが舞台のこのドラマですが、昨日の放送では悪人が悪巧みをする際に日本の企業を利用しようとして、しかし国交が回復していないから韓国企業の日本企業との技術提携は難しく、技術者を1日だけソウルに招く事になった、という展開になりまして。第3国(=香港)を経由して韓国に入国してたんですが、今では非常に気軽に、寧ろ国内旅行よりも安く行けてしまう韓国だけど、こういう時代もあったのだなァとしみじみと思いました。
それで思い出したのは私の父の話で、あの人、若い頃はエンジニアだったので大学でてまだ間もない若造の頃にまだ国交の回復していない中国に数ヶ月間、技術指導のために赴いていたことがあったのですが、折りしも中国は文革の真っ最中。今中国旅行しても絶対に経験できないようなことが多々あったらしく、その当時の話を自慢げに話しながら「今の中国にはもうないね」などと語る父に我慢なりません。ずるいよ、そんなこと自慢して。私だって文革真っ最中の中国行ってみたかったけど仕様がないじゃん、生まれてなかったんだから。とはいえ貴重な経験なので面白く拝聴しているわけですが、中でも面白かったのはこれですね。接待で京劇にボディガードと通訳付きで行ったらしいのですが、やはりここも文革真っ最中という事で演目が「覇王別姫」などであろう筈がなく、その日は悪い日本軍を中国人民がやっつける話だったとか。そんなことしなくても日本人が悪役だって事はわかってるのに「これでもか!」と畳み掛ける勢いで日本人、真っ黒い隈取*1されてたらしい。それを通訳さんが京言葉で日本語に翻訳してくれたらしい。…すごい敬虔だよ。面白いね。私もその立場にたってみたい。
こんな父を持っているため、私んちには本物の毛語録があります。紅衛兵たちが掲げてた真っ赤なアレね。読めるわきゃないんですが高校生のときに実物見せてもらったときは感激しましたよ。丁度「ワイルド・スワン」を読み終わったばかりだったから。本物の毛語録って、神保町あたりにもっていったら多少は高値で引き取ってくれるんですかね。売る気はないけどさ。

*1:勿論衣装は旧日本陸軍のもの。陸軍の軍服に京劇の黒い隈取、すごいね。