久々の野田岩で

私が大学生の頃、今は無き駒場小劇場などでお芝居をしていた人々が今でもお芝居を続けており、この週末に公演があるとの案内の葉書が送られてきたので懐かしさを覚えて観に行くことに。場所は赤羽橋ということでわざわ行くなら野田岩で鰻を食べねばと芝居前に行ってきた。関西と違って東京の鰻は焼く前に蒸すので出てくるのに時間がかかり、鰻重が供されるまで間を持たせるためにグラスで白。朝から胃の調子悪くほぼ絶食状態であったのに調子付いてハイペースで飲み干してしまい、同行した人のグラスにまで手を伸ばす始末。タチ悪いですか?知ったこっちゃないです。もう30歳だし。
しかし野田岩の鰻は本当に美味しいねぇ。数年ぶりに食べたけど本当に美味しいよ。一時期東京でそこそこ名の知れた何軒かの鰻屋に行っていたことがあり、江戸川橋にも、あそこはなんて店だったっけ、兎に角美味しい店があったけどさ、私は野田岩の鰻が一番好きだよ。本当に美味しい。あんまり美味しいので夢中になっちゃって半分以上食べ終わるまで山椒をかけてないことに気づかなかったんだけど、改めて山椒をかけたらこれもそこらの店とは格段に違うんだよ。あぁ、美味しい鰻って素晴らしいわ。グラスワインはそこそこ美味しかったけど先だってちるさんが拙宅に来訪されたときに空けたイタリアの白の方が格段に旨かったが、にしても冷えた白は結構鰻に合うよ。ワインってなんて美味しいんでしょう。
それでもう興奮して、若干酔っていたこともあって猛スピードで食べ終わってしまい、食べ終わってから気づいたんだけど鰻の骨が喉にささってんの。鰻の骨が喉に刺さるって、格好悪いわね。粋じゃないよ。だけどもう刺さってしまったものは如何ともしがたい。どうしよう、取れないわ、などとやっているうちに開演時間もとうに過ぎ、なんとなくやる気をそがれて芝居は見るのをやめました。一体何のために赤羽橋くんだりまで行ったんだか。間違っても東京タワーを見るために行ったわけではないのだが、帰りの電車は仲良さそうに手をつないだ若い男女だらけ。なんだよ、そんなに東京タワーが嬉しいのかよ。こっちは喉が痛いんだよ、鰻の骨で。このまま外れなかったらどうしよう。病院行けばいいだけか。