アキバ甲冑体験

故あってアキバへ。西洋甲冑屋にてゴシック甲冑の試着をする友の付き添い。いや、どんなジャンルにもマニアっているもんなんですねぇ。事前に店があまりこんでいない時間帯を聞いていており、閉店間際に赴いたにもかかわらず後から後から客足が途絶えることがない。さほど広くない店内に所狭しと西洋甲冑やら日本刀やらが飾られており、中学生のころに同じ塾に通っていた女の子に貸されて読まされたロードス島戦記で見知った単語がそこいらに溢れていた。レイピアだって。なんだっけ、あのエルフのやつが持ってた刀剣だよな。「細身のレイピア」とか書かれてたよな。
試着ということなので頭のてっぺんからつま先まで甲冑に身を包むのかと思いきや、実際に着けさせてもらえたのは胴体部分だけであった。重いからかねぇ。全部着けると20キロに及ぶらしい。今回試着させていただくに当たって、一応試着のための尤もらしい言い訳を用意してあり、「我々は劇団員である。12月の公演に甲冑が一体どうしても必要なのでレンタルしようか検討中である」というもの。店の人の前で本気の劇団員コントを演じなくてはならず、途中で噴出すのではないかと懸念していたのだが、意外にもちゃんとやれたので驚きであった。「これじゃああまり動けないね」とか「そんなに派手な立ち回りはありません」とか。
最初から付き添いならびに写真撮影が私の役目であったので、甲冑を着なくて済むのでよかった、などと思っていたが、今にして思えばついでに私も着させてもらえばよかった。西洋甲冑を身に着けるチャンスなんて二度と訪れないことだろう。折角の機会を棒に振った私は実に愚かで浅慮といえよう。誰かがもし結婚することにでもなったらアオザイから卒業して次は甲冑着て行こうかな。