自称ガイドにキレる

モスクと要塞を見学してきました。偶像崇拝をしないせいか、モスクは地味でしたね。モスクの中にいるより街の中でボーっとしながら流れてくるコーラン聞くほうが感慨深いです。コーラン、私は結構好きです。CD欲しいわ。10世紀ころに建てられた貴族の館も素敵でした。第二婦人と第一婦人の部屋がちゃんとそれぞれあって。第一婦人の部屋の大きなベッドは、夫婦で夜伽をしたあと用が済んだら夫一人で寝て婦人は向かい側にある半分サイズのちいさいベッドで寝てたらしいです。なんかなぁ。わざわざ移動しないといけないわけね。いやぁね。この館の屋上にあるテラスはカフェになっているのだけれどスタッフがいなかったので事実上使えない状態。ラジオだけはなぜかかかっていて、しかもそのときかかってた曲がマドンナだったので吃驚。やはりチュニジアってかなりヨーロッパよりなのね。
貴族の館はメディナの一番外側で新市街に面した位置にあり、モスクのある広場に戻りたかったのだけれどメディナの中はかなり入り組んでいるので遠回りだけれど外側を伝って分かる道を歩くことに。そうしたら途中でおっさんがなにやらモスクとか何とか言って路地を指差してくる。なに、近道でもあるのか?と思ってその方向にすすもうとしたらそのおじさん、わざわざ道案内をしてくれて、しかし随分長いこと一緒に歩いているので徐々に不安を感じ始めたのだが時すでに遅し。もう完全にどこ歩いてるんだか分かんない。そして連れて行かれたモスクはグランドモスクではなく小さいモスク。道が分からん…。モスクから出るとそのおっさん、まだ待っててこれはかなり面倒な状況だ、と思っていたら案の定金を要求された。こういうときは日本語に限りますね。半べそかきながら「あなたが勝手についてきたんでしょ?なんでお金払わなきゃいけないのよ!あっちいってよ!」、言葉が分かんないんで困惑しながらどこか去ってゆきました。しかしあのおじさん、1ディナールしか要求してこなかったから、あそこまで怒ってしまってちょっと申し訳なかったかも。ていうかやはり知らない人についていった私が悪い。チェコのターボルやらマルタのイムディーナが「迷路のよう」などと形容されることがあるけれど、あんなの甘いね。全然道迷わないもん。しかしメディナは…。本物の迷路のようだよ。自分の居場所が分からなくなったときはちょっとゾッとしました。なんともなかったからいいけどさ。
こっちの人っていい人と悪い人の境界が分かりにくいね。昨日行ったネット屋で日本語が使えずに困っていると隣にいたアヌアという名前の青年が話しかけてきて、店を出た後追いかけてきたんだかたまたま再開したんだかしらないけれどとにかくまた会って、そんで「日本語使えるネット屋を知っているから教えるよ」と言ってきたのだが、あんまり一緒にいたくなかったから断ると「街を案内してあげるよ」「夜会えない?」「携帯の番号教えて」、どうやって断ろうか困りながらただノーとだけ言ったら「わかった、でも街であったら気軽に声かけてね。いつでも案内するよ」って。いい人なんだか危険なんだか全然分からん。しかし以前、海外には非常に慣れている知り合いがフィリピンで睡眠薬強盗にあい、しかもその犯人、マニラ大学の学生ですごくいい車に乗っててお金も持ってて、大学の寮で飲もうというからつい信じてしまって私の知り合いはついていってしまったのだけれど、単にスリルを求めて強盗をしただけだったのだ。だからカードも現地通貨も抜かれてなくて日本円だけ盗まれたらしい。性質悪いよ。なので良い人そうに見えても信用しないほうがいいのだ。そもそも日本で知らない人に声をかけられてもついていかないし。ていうか日本で声をかけられたりしないし。…日本で声をかけられない、というのが全てを物語っている気がするぞ。
チュニジアはフランス領であったこともあり、街中でクレープをよく売っているので食べてみた。チーズクレープ。かなり美味しい。そして100円ちょっと。良いわねぇ。カフェでお茶を飲んで今、このネット屋で日記書いているところです。今日はこれから再びメディナに行って、夜はチュニジアン・ナイト。民族舞踊を見ながら料理を食べるのです。非常に旅慣れていない感じでエクスカーション申し込みまくりなのですが、勝手の分からない国ではおとなしくツアーに参加するのが賢明かと。そしてそんなんでも十分楽しい。ちなみに今興味あるのはインドネシア。中東のアラブ諸国は大体チュニジアと同じ方向性の国が多いのではと勝手に予想しているのですが、アジアにおいて圧倒的にイスラム教徒が国民の大多数を占めるインドネシアはどんな雰囲気なのだろうか、と。いやぁ、久しぶりに旅行が楽しい気がしますよ。