まさかのほぼ完徹、緊張して寝付けず

もう日本に帰ってきてるわけですが、日記かけなかった分を過去にさかのぼって書くということで、はい、無事です。生きてます。ロンドン前夜は、衝撃的でした。いい加減旅行なれしている私は、若いころは割りと繊細だったために枕が替わると寝付けなかったり飛行機の中で一睡も出来なかったりしたのだけれど、今では寧ろ起きていたい瞬間ですら寝てしまうほどの神経の太さを誇っているのですが、寝られなかったんですよ、殆ど。どうしよう、ロンドン怖い。都会は怖い。悪い人が一杯いる。クリミナル、クリミナル。まんじりともせずに旅立ちの朝を迎えたのでした。いや〜、自分でも吃驚。ロンドンは初めてじゃないのに、というか初めての街だってもはや緊張感とは無縁なのにこんなにビクビクしちゃって。だってマルタって平和なんですもの。
空港では仕事でマルタに来てこれからロンドン経由でシンガポールに帰るという華僑のビジネスマンに話しかけられ、マルタの物価が高いとかシンガポールならもっと安いとかマルタで何をしてたのかと問われて2ヶ月学校に通っていたと答えると何のために英語を学んでいるのかと言われたので「趣味で」と答えたら失笑されたりとかして、最後は「両親と一緒に住んでるんだろう」と言われた。うるさいなぁ。全部自腹ですよ、人生ギャンブルですよ、両親は関係ないですよ。ロンドンでは飛行機の乗換えまでに7時間あるから空港を出て街に行こうかと思っている、などといわれ、なんとなく私の行き先に付いてこられそうな勢いだったので微妙に牽制し、そうこうしているうちに無事にロンドン到着。
ロンドン着いたら大興奮。すごい! 地下鉄だ!! しかもちゃんと2〜3分おきに来るぞ! 時間が正確なんだ! すごい都会。都会カッコイイ。ロンドンカッコイイ。街に出たら出たで、すごい! お店が昼休み取らずにずっと連続営業してる!*1 皆ちゃんと働いてるんだ! お店も一杯ある! なんでも買えるじゃん!*2 世の中すべてお金次第だね! 今思い返すとなんであんなに興奮してたんだかよくわからんが、ロンドンの都会っぷりほれぼれとしてしまったのであった。よっぽどマルタって田舎だったのね。ロンドンについてから最初の2時間くらいは大都会におそれをなしてビクビクし「マルタに帰りたい。都会は怖い」とか思っていたのだけれど、その後は「やっぱ田舎になんか住めないね。次住むとしたらロンドンかな」とか訳の分からんことをひとりごちたりして。興奮しすぎておなかが空いてきたのでウォルズレイでお昼を取ることに。
日本を発つ前からウォルズレイには行こうと思っていたのだけれど、お昼に行ったら「25分待ち」とのこと。ロンドンには2日しか滞在しないのでその25分すらも惜しく、お昼は諦めてその後お茶の時間に再訪したら今度は「40分待ち」だって。ばかみたいだな。なのでここは諦めマンダリン・オリエンタルでお茶を飲もう、と思ったらヒドイ。4年前はアフタヌーン・ティが20ポンドしないくらいだったのに今日行ったら30ポンドだって。値上げの仕方があんまりじゃあないか。1ポンド230円くらいだから、たったの4年で2300円くらい値上げしたってことでしょ? ひどいね。飲食には割りとお金をかけるほうなのだけれど、流石にたかがお茶に7000円近くかけるのはばかばかしいので、もう今回はお茶をすること自体を諦めることに。
なんだか色々ロンドンでは楽しかった記憶があるのだけれど、時間がたちすぎてしまったのでどうしてああも興奮してたのか理由がさっぱり分からない。コヴェント・ガーデン大好き! とか思っていた気がするのだが、なんでなんだろ。都会はすごいなぁ、便利だね、とか思ってたけど、便利さにかけてはどう考えても東京の方が上でしょ。感激のポイントがマルタ基準になってたんだなぁ。あのときの自分の熱狂振りに対して今の私自身は冷めてしまったのであんまり細かく書く気になれん。この日はコーニッシュ・ペストリー屋でコーニッシュ・ペストリーを食べようとしたまさにその瞬間、いきなり黒人男性に「質問があります」とか言われて「今まさにこれを食べようとしているので話したくない」と返事をすると「食べ終わるのを待ってもよいか」と。隣で待たれる方がもっと嫌なので「質問とは何か」と言ったら「日本語で"くれました"と"もらいました"には違いがあるのか、あるのだったとしたら説明してくれ」とか言われたのが記憶に残っている。また微妙な質問を…、しかも英語で説明しないといけないんでしょ? やだなぁ、面倒くさい。ということで「説明できない」と答えて立ち去ってもらったのだけれど、なんか胡散臭いね。道端でいきなりこんなこと聞いてきて。マルタならともかくロンドンみたいに観光客としても住んでる人間としても日本人が山ほどいる街でこんな質問を唐突にしてくること自体が妙だよな。「知らない人とは喋っちゃいけませんといわれてます」とか言えばよかった。
あと記憶に残ってるのはコヴェント・ガーデン・ザ・マーケットに「パンチ&ジュディ」という店があって、ついこの間読み終わった「ロリータ」のクイルティ殺しのシーンでハンバート・ハンバートがクイルティに「パンチ」と呼びかけるシーンがあったのを思い出し、だからどうって訳ではないがなんとなくこの店に入ってみたくなったけど疲れきっててビールを飲む気力がなかったことくらいか。あ、あと靴2足買いました。トリッペン。これはうれしかった。それくらいか。しかし日記ってのはその日のうちにかかないと駄目なもんだね。もう面倒くささと義務感とのせめぎあい。大分面倒くささが勝ってきたのでこれにて終了。

*1:マルタでは通常午後の1時から4時まで皆昼休みで大半の店が閉まっている。

*2:マルタではお金を使いたいと思ってもほしくなるようなものが殆どなくて無駄遣いをするチャンスが殆どなかった。