帰国初日、すでにマルタの印象が薄れ始める

9時40分に成田について10時20分には電車に乗ってたから、割と順調に空港を出られたと言えよう。ヒースローには大失望です。スーツケースは開けられることを見越して鍵をかけていなかったにもかかわらず、鍵が壊されてました。壊す理由がどこにあるんだよ。最初から鍵かかってないっていうのに。多分確かめずに壊したんだろうね。ひどい話だ。片側しか壊れてなかったからとりあえず閉めることはできるんだけど。ただ次に旅行するとしたらもうハードケースじゃなくて布製の軽いケースにした方がよいな、とは思います。重量制限がこうも厳しくなると何も入れてなくてもすでに重いハードケースはあんまりよくないし、どうせ中身を開けて見られるんだから丈夫である必要もないし。ヒースローで超過料金を気にしながらキューに並んでいた私は自分よりも前に並ぶ私の体重3倍くらいで彼女の体重自体が既に超過料金請求した方がいいんじゃないかというようなアメリカ人女性の荷物が非常に気になり、あのサイズは絶対重量オーバーだぞ、超過料金、超過料金を請求するんだ…! となぜか人の不幸を望んで*1いたのだけれど、ソフトケースであった彼女の荷物は19キロ。体積で言ったら絶対私の荷物より大きいのに! きぃ〜! 悔しい! と地団駄踏んだのであった。現状ではハードケースで旅行するメリットは何もないと思いますよ。
相変わらず貧乏なのでクロネコでスーツケースを送ったりなんかしないし、成田エクスプレスも使わないので普通に京成線で帰ってきたのだけれど、これに乗ってる時点で既にマルタの印象が薄れ始めてきたので吃驚。やはりこう、海外生活と言うのは「非現実」というものであり、東京という「現実」に戻ってきてしまうと、なんかこう「マルタに2ヶ月もいたといのは、本当は夢だったんじゃないのかな」などと思い始めてしまうのだ。とても現実のこととは思えなくって。帰ってきてから夜、知人に電話した際に「あ〜、海外行きたいなぁ」と漏らしたら「あんたスゲェな」と半ば呆れられました。
帰宅して早々、早速だらしない格好に着替えて寛いでいると甥っ子登場。お〜、歩いてる。かなりちゃんと歩いてるぞ。で「おかあさんといっしょ」とか見て周りの人間が「ぐるぐる」とか言ってやるとその場でぐるぐる回りだすの。で途中で自分でも「ぐるぐる」って言ってたぞ。吃驚。喋るんじゃん。もう離乳食とかじゃなくって普通の食事を食べてるし、カステラを小さく切ってやったら手づかみだけれど自分でちゃんと食べれるのね。三十路の者には二ヶ月と言う時間は瞬きする程度の時間であるけれど、子供の二ヶ月というのは大変な違いをもたらすほどの期間なのだね。おばちゃん吃驚しちゃいました。
先週NHKの「世界遺産」でマルタのヴァレッタを放送していたらしく、それを録画しておいた両親に見せられたのだけれど、父親が私に向かってヴァレッタの解説をしようとすんの。ちょっとムッとする、というか、解説されてなるものか、とムキになって必死に相手の言葉を覆い隠すように自分の言葉をかぶせてねじ伏せると「よく知ってるじゃないか」とあくまで上から目線で褒めてくんの。無論本気で褒めてるわけじゃなくて私がムキになるのを面白がっているだけだが。
日本に帰ってくるとすべてのことが出発前とあまりにも同じ過ぎて、だから余計にマルタに行っていた2ヶ月が夢のようというか、本当はマルタになんか行ってなかったんじゃないか、などと思ってしまう。つい無意識のうちに英語で考えるようなことが割りとあったんだけれど、家に着いた途端にそれもなくなった。あ〜あ、もう英語全部忘れちゃった。意味ないじゃん、マルタなんか行ったって。…まああんまり勉強する気なかったし実際やってないから構わんのだけれど。日本に帰ったらとりあえずTOEICくらいは受けておこうか、6年ぶりにと思っていたのだけれどそれすらも煩わしいぞ。早くまた仕事探して適当に稼いで日本脱出をせねば。こんな思想だから引越し資金もまともにたまらないのだな。とりあえず今年の目標は「海外で貯金すべてを使い果たすという習慣を改める」にしよう。貯金を使い果たさない程度に海外滞在しないとね、もう三十路ですから。

*1:というのは「どうせ私も重量オーバーで超過料金取られるのだから世の中全員超過料金を取られればいい」という非常に心の狭い考えによる。