強烈すぎるあの人

だめだ。もう今日はあの話しか書けない。あの話がショッキングすぎて今日あった他の出来事は全部消えた。何かと言うと職場にいるかなり微妙な人の話だ。恐らく40歳よりは上であろうと思われる、大分マッシヴなその人は服装の趣味が少女趣味で、夏場には花柄の洋服(スカートは割とミニのフレアスカート)を身につけ髪をお下げにしてきたことがあり、その頃はその人がどんな人か知らなかったので単にその姿にやや圧倒されただけに過ぎなかったのだけれど、その後その人の仕事っぷりを見ているとかなり問題があることが分かったのだ。どう問題かと言うと入れる赤字が大分間違っているのである。基本的にオペレータは入れられた赤に従ってその通りに直さなくてはならないので、その人が赤入れをした後に原稿を見ると、そもそも元の状態で正しかったのに間違った赤が入ったためにダメな原稿になっている事がしょっちゅう。それを見つけたこちらはオペレータさんに平身低頭、ホントすみません、ホントすみません、と謝りながら元に戻してもらったりするので本当に迷惑なのである。間違った赤、禁止。
そんなあの人なのだけれど、今日は本当に吃驚した。現在、校正として働いているのは私を含めて全員派遣社員なのであるけれど、どうもその人だけ契約を更新してもらえなかったらしく、彼女の勤務は明日で終了なのである。そうしたらさ、こう言ってたさ。
「仕事探す前にオトコ探さなきゃ!」
こういうことを言う人って、本当に存在するんですね。前にエレベータでその人と居合わせた時に、その人が一緒にいた別の若い校正に「わたしはねぇ、オバサンになる前にねぇ、オジサンになっちゃったの!」と言って相手を絶句させていた事があったけれど、今日の発言の方がひどいな。この発言を聞いた後、他の校正に聞いたのだけれど、どうも今の職場に彼女にロックオンされている割と若い男性がいるらしく、その彼は彼女に「アナタになら遊ばれてもいいわ♡」とか言われたらしい。こ、怖いっ。その後その彼が給湯室に一人でいると、彼女がやってきて退路を断たれた上に「今日はワタシ、スカートが短すぎるかしら」などと言われたらしい。ハラスメントだ。
誰に対しても唐突にフレンドリーに話しかけたりするタイプのようで、ある若い女子は「キャンディーズのスーちゃんに似てる」と言われてスーちゃんが誰だか分からなかったらしく、ただそれは世代間ギャップという哀しい問題ということでしかないが、上に書いた男子は仮に冗談でもこんな風に話しかけられてやや気の毒である。仕事ができる人であればこんなに話題になることはなかったのだろうけれど、その点に関して残念な結果だったので人々の話題に挙げられやすくなってしまったのだろう。前から強烈だとは思っていたが、ほんとに強烈だった。もしこれらの発言が全て冗談であったとしても、タイミングと相手を選ばないとねぇ。そんなあの人とも明日でお別れである。嬉しいような、淋しいような。