人間やめる

すごい会話を聞いた。仕事中にお茶を入れようと給湯室に行くと先客が2人いたのだが、その2人の会話である。
「あいつ月曜になるとスゴイんだよ、ほんと。“うを〜っ! オレはもう人間やめるぞ〜っ、オラァ!”ってさ」
「人間やめられたら困るよね〜」
人間やめると叫ぶ状況も大分意味不明だが、このカジュアルな返答に仰天。リアルに『人間やめる』という状況を想像していたりはしないに違いあるまい。しかしすごい人だなー。人間やめるって何なんだ、一体。へんなパワーが漲ってるのがわかる。こういう謎な雰囲気の人とは直接接点を持たず、柱の影からこっそり様子を伺う程度の距離でいるのが最も望ましい。この人、一体誰なんだろう。同じ職場の人なのだろうか。興味深い。
人間をやめた状況を具体的に想像してみたい。二足歩行することを放棄して、這いながらヨダレ垂らしつつ奇声をあげるとか? 職場で唐突に隣の席に座ってる人がそんな風になったらやだなぁ。びびるよな。しかし『二足歩行を放棄』という想像がありふれていて、そんな凡庸な想像しかできない自分にいささか失望だ。ああ、人間やめた状況が分からない。誰か教えてください。