初日

初仕事である。今度んとこのエラい人は、なんだか妙な人で、『将来なにになりたいの?おっきくなったら』と言われた。おっきくなったら、って気持ち悪いな。私は最早大きくはならず、ただ老いる一方なのだが。横に肥大化する可能性ならあるけど、その『おっきくなる』でよかったのだろうか。しかし今になってみると『おひめさまになりたいです』とか答えたらよかったと思う。言えばよかった、想像だけで喜ばずに。いくじなし。実際のところは、編集はしんどいから校正をちゃんとやれるようになりたいです、と心にもないことを答えた。働かずにダラダラやってきたい、ダラダラの合間に旅をしたい、とは流石に答えらんないから。
他には『なんでここで働こうと思ったの?』ときかれた。派遣に志望動機を聞いてきた人は初めてだ。単に条件があったというだけで、積極的にそこで働きたい理由などない。なのにもう一人、事務で今日から入った人はちゃんと答えられたりしてんの。なんなんだ、この状況は。3か月で去るのが決まっているのに志望動機を用意しておかなきゃいけなかったのか? 私が社会性皆無の生活を送っている間に派遣業界はこれが普通になってしまったのか? わからん。