親切な小人さんへ

今日私がうけたこの衝撃がどれほどものか、あなたに分かりますか。ショックで口が聞けなくなるのは、必ずしもしゃべっている最中に起こるわけでなく、黙っていてもそれが起こるということを今日知った。頭の中が失語症。心臓がビクン!と脈打ったぞ。
そのショックが何かというと、昨日の晩「回想のブライズヘッド(上)」を読み終わったとき、無意識に「セバスチアン…」と口にした途端、思い立ってうちのやつに「セバスチアンって呼んでいい?」と訪ねると、期せずして答えは「いいよ」。なのに今朝、電車の中で「ねえセバスチアン」と話しかけたら「うるせえ」と言われた、などということではない。仕事が終わって三軒茶屋に向かう車中、おもむろに「回想のブライズヘッド(下)」を読み出したときのことである。
これ下巻じゃなくて上巻だったヨ!
おい…。じゃなにか。わたしゃ楽天ブックスで2度も上巻を買ったってわけか。…。もう、なんだか、胸が苦しい…。せっかく下巻の発売日に注文し、家に届く日ぴったりに上巻を読み終えたというのに。そしてなによりも、上巻を2冊所有してしまったという事実を持て余している。何かの間違いであってくれれば。楽天の手違いで上巻発送しちゃった、とかさ。あー、誰か助けてください。親切な小人さん、これをこっそり下巻とすりかえてください。たとえあなたが来ても気づかなかったふりをしますから。
と書いたところでちるさんと落ち合った。ここまでの出来事を話したら「自分が悪いのでは」と一刀両断。ううう。