望外の喜び

先だって知人にBS2で放送される映画の録画を頼まれた。2日連続で一本づつ、ニ作品の録画だったのだが、愚かなことに私は2回とも録画をするのを失念した。我ながら呆れるほどの記憶力の悪さ。だいたい一日目に録画を忘れたことに気づいた時点で「明日こそは必ず…!」と心に誓ったはずなのに、なのに翌日には完全に忘れていたのだ。その映画が開始される頃、私は渋谷でシュヴァンクマイエルを見ていたのであった。愚だ…。
知人には平身低頭して謝ったのだが、幸いなことにもう一度チャンスがもらえることに。またBS2の映画の録画だ。今度こそは忘れてはならぬと最新の注意を払って録画に挑んだ。3度目の正直で今回はちゃんと役目を果たすことができ、録画したビデオを持ち主に返還した瞬間には達成感とともに肩の荷を降ろした開放感も感じた。
するとどうだろう、その知人、間髪空けずにお礼と称して食玩のフィギュアをくれるではないか。秘蔵のフィギュアだといっていたけれど、パッケージにはゴジラのオーナメントと書いてある。確かに私はフィギュア好きだしホビーロビーにも行ったことはあるけれど、それは妖怪フィギュアであってゴジラのごとき有名キャラのものではない、と冷静に受け止めたのだが、箱の中身を取り出したとたんに度を失ってしまった。なぜなら中に入っている怪獣キャラの解説書にでかでかと「マタンゴ」と書かれていたからだ。マタンゴって普通知らないだろう?またんご、と入力してマタンゴと一発で変換してくれるPCなんて私のくらいのものではなかろうか。まさに我が目を疑う事象であった。なんでマタンゴなんかがフィギュアに?そしてなぜ私に敢えてマタンゴを??疑問は尽きないが、これをくれた当人いわく、私ならばそういうものを喜ぶだろう、と。私の嗜好性の本質を見抜かれていることに大いに衝撃を受けた。