居心地の悪さ

気温がさして高かったわけでもないのに未だ夏の感覚のまま半そで(しかもフレンチスリーブ、つまり申し訳程度に袖が付いているに過ぎない)を着用していた私は、非常に居心地の悪い思いをしていた。あたりを見渡すと半そで着用率はきわめて低く、気温に敏感に反応し、適切に5分袖、7分袖を着用している人々は「今日は肌寒いですネェ」などと話している。そこまで寒くないだろう!どちらかといえば過ごしやすい気持ちの良い日だろう!と内心突っ込みながらも、自分が半そでを着ていることを「間違っている」と感じている私は常にあらず気温に関わる話題に関して敏感になっていた。やけっぱちになった私はもう今年は冬まで半そで過ごしてやろうかと思った。私は間違っていない、私は今日気温の変化に気づかなかったのではなく、もともとどんなに寒くとも半そでを着る人間なのだ、と自分の現状を正当化するためである。…アホだ。