ドラキュラ学入門

吉田八岑・遠藤紀勝共著 社会思想社・現代教養文庫 ISBN:4390114182
既に絶版のこの本を初めて書店で見つけたのは高校生の頃だった。いつか絶対に読もう、とおもっている間に手に入らない本になってしまい、折に触れて思い出しては遺憾に思っていたのだが、ブックオフで二束三文で売られているのを発見。う〜ん、ちゃんとした古本屋ならこんな値段では取引されないものにも関わらず100円とは。本来なら大切に保管すべきだったのだろうが、私はブックオフで100円で手に入れた本は入浴中に読むとルールを決めているので例外は認められない。これもちゃんとカバーをはがしてお風呂の中で読みました。
私はこの本の旬を既に逸していた。きっと初めて見つけたあのときに、後回しにせずに読んでいたらかなり楽しめていただろうけれど、もうこの年になるとこの程度の内容では満足できないのだ。どの程度か、というと考察が不十分。どの地域ではどんな風習があった、とかそんなのを列記されてもさして面白くない。入門とはいえドラキュラ「学」というならもうちょっと学問らしくして欲しい。桐生操を読んだ後のような物足りなさであった。