ローザー洋菓子店

用事があって市ヶ谷まで出向いたのだが、1時間半も早くに到着してしまった。そういえば靖国通り沿いにローザー洋菓子店があったはずだ、気になってたけど食したことないから今日こそシュークリームに挑戦しよう!と市ヶ谷駅から九段下方面に向けてずんずんと靖国通りをすすんだ。確か途中にパク森とかいうカレー屋があって若干気にかかっていたからそこで昼食をとることにしよう、と思ったときには件の店にたどり着いていたのだがシャッターが下りていたところを見ると完全に私は拒絶されていたものと思われる。少なからず切なくなったが本来の目的はローザー洋菓子店である。ここでくじけてる場合じゃない。
市ヶ谷から九段下に行く道の真ん中くらいにその店があったように記憶していたが、この通りを歩くこと自体相当久しぶりなので全く自信がない。しかも今日は祝日、示し合わせたかのようにどの店もシャッターを下ろしている。まあわざわざ遊びに来るような場所じゃないしねぇ、祝日にこんなところ来るのは思想的に右の人くらいだし仕方あるまい、と思っているともう内堀通りとの交差点まで来ちゃってるではないか!完全に見落としている。ということは目当ての店もシャッターが下りていたに違いない…。失意のどん底に突き落とされた私はやけになり、よし、ここから市ヶ谷に引き返すけれど一番最初に出くわした飲食店で昼を食べるぞ、と決意したのだが、これが良くなかった。一番最初の飲食店、それは安い牛丼チェーンであった。一度通っている道なのでよく考えれば分かるはずだが往路はケーキ屋にのみ意識をめぐらしていたので全く記憶が無かったのだ。女一人で牛丼屋はかなり入りにくい…。しかし自分で決めたルールだ、ここで曲げるわけにはいかない。よく見れば女子高生が3人ほど店内で和気藹々と牛丼を食べているではないか、私もあれにならうのだ。と意を決して入店したが、彼女らに私がならったとしたらこれも別の意味で問題ある。年考えろよ、という話である。
生まれて初めて一人で入店した牛丼屋であったが、これっきりにしたいと思った。う〜ん、苦手だこういうの。下らないルールに固執すべきではなかった。破ったところでそんなルールを課したことすら誰一人としてしらないのだから。自分の判断を遺憾に思いながら店を出て再び市ヶ谷を目指すと、ケーキ屋はあった。ただしローザー洋菓子店ではなくゴンドラだ。全然違っていた。こんな道を歩いたって永遠にローザーにはたどり着けなかったのである。ばかだなぁ。調べたら半蔵門の方だって。あ〜あ。