万年筆スタイル

ワールドフォトプレス \1524 ISBN:4846525120
ざっと全体を眺めただけで感想を述べるのは問題があるかもしれないが、ざっと斜め読みする以上にこのムックを読むとは思えない。あれだ、セカチュウを正しく批判するためには原作を読まなくてはいけないが、どうしても読む気がしない、それと一緒だ。ぱらぱら見てるだけでも「趣味の文具箱」には引き込まれるが、こちらにはその魅力がないのだ、全く。なんかミーハーというか軽薄というか。こちらは要するに”ファッションとしての万年筆”なんだな。大抵この手の本は男性向けに出されているのだと思うのだけれど、「趣味の〜」が文房具好きのための本だとするとこちらは男としての価値を上げるための小道具としての万年筆を見せる本のように思える。多くのペンを紹介しながらもその中心にあるのは万年筆ではない。うすっぺらくないか?そういうの。しかしだ、最初ファッションから入ったとしても使っているうちに引き込まれてこの世界にどっぷり漬かってしまう人間が増えればよいのだ。万年筆伝道のためにはもともと興味を持たない人間をも注目させるミーハーな本があっても良いのだ。だからこの本の存在価値は認める。ただ、私はこれを買う必要が無かった。それだけだ。