雑談系講師

今日も高田馬場チェコ語。あまり早く着きすぎると電話番させられるので駅付近のあおい書店で時間つぶしをしていた際に文春文庫プラスの「スーパーモデル猫プリンちゃん」という猫にコスプレさせた写真を載せた本を見つけてしまった。そのコスプレがすごいヘンで、猫にウサギの格好とかさせてんの。そういう事して何が嬉しいのか全然分からんが兎に角そのヘンさが私にはちょっと面白かった(間違ってもキャー可愛いなどという気はない)。
ところで高校3年の時、私は国立にある塾に行っていた。立川は大手予備校ばっかりだしそれに街自体がゴミゴミしているし南口なんか荒んでいたから(今は荒みの種類が若干違う)、あの国立の大学通りのお上品な雰囲気に憧れていたのだ。しかし塾では主に自習室利用のみで、駅前の本屋で漫画或いは文庫本を購入して周囲が懸命に勉学に励んでいる中へらへら漫画ばっかり読んでいた。当然講義だってサボりまくり。物理は3〜4回しか出なかったし英語にいたっては高3の9月頃やめちゃった。
そんな私であったが数学の授業だけは出ていた。なんでかっていうと面白かったから。数学が面白いのではなく、授業の冒頭15〜20分くらいの間、私のクラスの担当講師がいっつも雑談していてそれが面白かったのだ。大体状況からして面白い。私の所属していたクラスはその塾の中では曲がりなりにも1番上のクラスであったのだ。塾経営的にはこのクラスの人間にせいぜい偏差値の高い大学に受かってもらい実績上げて生徒数拡大につなげたいところだろうに、講師が勉強と全く関係ないことをいつも長々と話しているのだから。そんな話を熱心に聞いているのなんか勿論私一人だ。それから話の内容がいつも過激というか、場合によっては左だったりだ。印象的だったのはNHKの衛星放送の受信料についての話。彼の説によると衛星放送に受信料を課しているのは国家による言論統制であり、情報統制であるそうだ。他には「塾講師なんてみんな学者崩れだ」とか言ってたことも記憶している。
私はなぜかこのような雑談系の講師やら教師やらに当たりやすい。高校の世界史の授業でも50分の授業のうち30分は進路、進学、受験の話で終わっていた。もっとちゃんと授業やれよ。それで漸く授業に入ったと思ったら「マゼランの世界一周ってあれは嘘ですよ」と言い始めた。マゼランは世界一周する前にフィリピンでラプラプ王に殺されたのだそうだ。それで次の授業は1時間全部ラプラプ王。テストにも出た。当時既に40過ぎと思われる男性の英語教師なども、なんでも国立の白十字でプロポーズしたら成功したらしく、それを1時間使って話しきった。しかも他のクラスでも「別のクラスで1時間やっちゃったから平等にしないとね」とか言って自分の受け持つクラス全部で自分のプロポーズ成功談を語ったのだった。それも勿論高校3年の時。ヘンな高校。面白かったけど。
しかしわが身を振り返ると私もこういった手合いと大差ないかも。今日も家庭教師先で高校生の男の子に愚痴聞いてもらったし、院生時代に京大の研究会に出たら妖怪の集会だったとか言って浪人生の受験に対するモチベーション殺いだりしてるし。