チェコアニメの魅力を再認識

8月のシュヴァンクマイエル体験で衝撃を受けて始めたチェコ語であったが最近ではすっかりその動機を見失っていた、そんな私にうってつけのセミナーがあった。新宿のカルチャーセンターで「チェコアニメチェコ語」という1回限りのセミナーである。講師は在日7年のペトル・ホリー氏。この人がなんとまあ日本語の上手いこと!かつて私がイタリア語を習っていた時の先生であるルカの驚異的日本語能力*1に匹敵していた。ホリー氏は講演中よく話が脱線し、もともと何の話をしていたのか忘れかけることがあったのだが、その際に彼は「え〜と、あ、そうそう」などと言っていた。講演の最後には「今日はこんなつまらない話を聞いてくださいましてありがとうございます」とも言っていた。どうやるとここまで外国語を修得することができるんだろうね。感服いたしました。
講演の内容はというとチェコアニメの歴史とその背景で、私としてはシュヴァンクマイエルだけやってほしい、他の作品なんかどうでもいい、などと思っており物を知らないと言うのは大変恐ろしいことである。若手監督であるアウレル・クリムトの「フィムファールム」という作品をちょっとだけ見せてもらったのだが、これがシュヴァンクマイエルとは全然違うんだけれどやっぱり魅力的なのである。イジートルンカの親友でもあったヤン・ヴェリフ原案の御伽噺をヴェリフ自身が声色を使い分けて朗読したレコードにあわせて映像を作ったもので、日本語字幕なんかついてないから何がなんだか分からないのだけれどヴェリフの声と人形の動きだけで十分面白い。講演終盤でいきなりホリー氏がシュヴァンクマイエルんち行ってきたとかでそのときの模様を記録したホームビデオを見せて自慢してきたのだが、そのビデオにホリー氏に同行したと思われる日本人女性が登場するたびに「あ、どうもすみません」と言って一人で勝手に照れていたのが印象的であった。
そんなこんなで今日は大変有意義だったのだが、ある事実を認識させられたのでついでにそれも記録しておく。私は普段スカートというものを滅多に着用しないのだが、今日に限ってかなり短いスカート*2を身に着けていた。するとどうしたことだろう、新宿の街を歩いていると常になく若い男の子に声をかけられるのである。こんな老人に声かけてきて何考えてるんだ?と訝しんでいたのだが、はたと気づいた。ああそうか、スカート短いからこっちが若いと思ってたんだ、連中は。ばかだなぁ、もう若くないんだよ私は。どうやら新宿界隈の男性はスカート丈のみで相手の年代を大雑把に推し量っているらしい。もっとちゃんと事実を見据えなくてはいけないよ、君たち。という以前に私がそんな丈のスカートはいてる場合じゃないのかもしれない。

*1:送られてきたファックスに「先日はどうも」と書かれていたことがあった

*2:恐らくひざ上10cmくらいか