中学時代に想いを馳せる

昨日図らずもチケットを購入してしまったコンサートに行ってきた。スメタナホール。確かに美しい。室内楽のコンサートだったんだけど、なんか妙に1曲1曲が短い。しかも有名な曲ばかり。観客もどうみても外国人っぽい連中ばかり(私も含む)。なんか嫌な予感がするが兎に角今は生音を楽しもうと曲に耳を傾けるが雑念が入る。ユーモレスクか、中学ん時給食の間にかかってたなぁ、そう思ったとたんに口中に給食の味が甦り美味しくない。アイネ・クライネ・ナハト・ムジークか、これも中学ん時に掃除の時間に流れてたなぁ。
掃除の時間といえば、こんなことがあった。中学生男子というものは基本的に掃除などまじめにやるわけがないのだが、私の属する班が音楽室の担当になったときのことである。同じ班の男子連は当然ふざけていたのだがその内容が意外性に富んでいて印象的だったのである。何をしてたかって、音楽室って大抵教室の後部に作曲家の肖像が沢山飾ってあったりするでしょ?あれを一人が名前を隠しながら指差し、もう一人は遠く離れた位置からその作曲家の名を当てていたのだ。
ベートーベン!バッハ!ここまでは良かった。次がなかなか出てこない。考えあぐねている回答者に対して出題者がヒントを出した。「ほら!貼るやつ!貼るやつ!!」「…あ〜ぁ!ラベルか!!」吃驚しました、そのヒントに。それで正解していたのにも驚いたけど。
話を元に戻すがアイネ・クライネ・ナハト・ムジーク、人気があるようである。数人の大人が曲が始まった途端にはしゃぎだした。手で軽くリズムを取るもの数名。中には指揮を振る真似をするもの、鼻をピーピーならして歌い始めるものもいた。いささかはしゃぎすぎではあるまいか。
宿に戻ってから聞いたところでは、案の定この手のコンサートは観光客向けで学生アルバイトなどが演奏していることが多いそうである。チェコ・フィルなんかだったら街で客引きなんかするわけないと。そりゃそうだよな。次からは断る手段をちゃんと用意せねば。「チケット売り場はどこですか?」なんて全然ダメ。適当に濁す文化はここでは通用しないのだ。はっきりと自己主張せんとね。