高3時の授業にて

上の文章を書いていて思い出したこと。高校3年の頃の学校の授業のことだ。この時期誰しも内職を経験しているだろう。授業そっちのけで自分の受験に必要なことを勉強するのだ。私はそれが出来なくてねぇ。変に融通が利かなくてクソ真面目に板書しておったら思いがけないものを目にし、私は我が目を疑った。
隣の席の男の子にふと目線をやったら、何してたと思いますか?当てた人がいたら、あなたは凄い人だ。なんと彼は左手で字を書く練習をしていたのだ!仮にも受験生がここまで無意味な行為をなせるとは。私は受験勉強はしてなかったかもしれないが、もうちょっと意義のあることをしていたぞ。この人は一体どういう人物なのであろう、その日以来彼のことが気にかかって仕方がない私は気がついたら彼の動向を意識するようになっていた。
そうしたらやっぱり私の期待にこたえてくれましたよ、彼は。これ、なんて説明したらいいですかね。よく小学生などが両手の指の親指なら親指同士、指先をくっつけて、例えば人差し指だけは指先をくっつけずに互いの指の周りを回転させるヤツ、あれをやってました。そんな事するくらいなら居眠りでもしてればいいのにね。大物になる予感をさせた彼とは結局一言も口をきかないまま卒業しました。ちなみに私はまじめに授業を受けていたお蔭で中国語の成績だけは常にトップでしたよ。ほらね、入試に関係ない勉強はできるのです。
その後私が修士の2年の頃にクラス会があり、そこで上記の彼と再会しました。私たちの高校のある街で飲み会をしたのだが、件の彼はその高校の近所に住んでいたのでした。*1にも拘らず2次会に行かないというので周りの人間が詰め寄ると「明日バイトがあるんだよ」と。なんのバイトか聞くと築地でバイトしていたそうです。「だから始発乗らないとまずいんだよ」。こういう人には私は一生かかっても敵わないな、そう思いました。ちなみに当時の彼の身分は学習院の3年。だからどうって話でもないけれど、なんかそれも面白かったです。

*1:なので高校時代は昼食のために一時帰宅したりしていた。