滝沢ラスト・デイ

あんまり吃驚してたのですっかり滝沢のことを忘れていた。今日は談話室滝沢、最後の日である。今日気づいたのだが4店舗ある滝沢のうち1店は頑張れば昼休みに行けなくもない、という事で行ってきた。しかしここは、実は初めての入店である。初めての滝沢でその閉店を惜しむというのも妙な具合ではあるが、大体雰囲気はおんなじであった。
ただ1点違うとしたら、平日の昼間、というよりは最早夕方に近い*1けれどまだ普通の人は仕事している時間だというのに、ほぼ全席埋まってんの。なんでこんなにぎわってるのかね?私の席と通路挟んだ向い側に座っていた女性なんか「持ち帰りケーキをお願いします」って言ったら「申し訳ございませんがケーキはもう…」、ケーキ終わっちゃってんの。言っておくけど滝沢のケーキって敢えてテイクアウトして家でまで食べたい味じゃないんだよ?なのに終わっちゃってんの。軽いお祭り騒ぎじゃん。
使い慣れた滝沢ではないけれど、やっぱり滝沢であるその店で私は今まで注文したことのないものを頼んだ。クロックムッシュである。
昨日のジェノヴェーゼよりも明らかに出てくるのが遅い。なんでだ?といぶかしんでいたら昨日の私の願望を見透かしたかのごとく熱い。熱すぎるくらいだ。で、私は元々ヨーグルトもクロックムッシュのセットになっていたんだけれど、上にも書いた女性の方に目をやったら、彼女の注文したサンドイッチには本来ついていないはずのヨーグルトがあった。なんか、…いいなぁ。私よりも彼女の方が「今日滝沢に来て良かった」感が強いじゃん。幸せじゃん。
そうは言ってもやっぱり幸せでした。だってさ、ヨーグルト用に溶け易いお砂糖のビンが出されたんだけど、あの顆粒の、薬みたいなヤツね。そのビンにテプラで「ヨーグルト用の砂糖」と書いてあった。あんまり伝わらないかもしれないけどこの「ヨーグルト用の砂糖」と書いてあるのを見られたのが得した気分だった。そうか、これはヨーグルト用であって他の用途では用いられないのだ。コーヒーなんかに入れられたら砂糖としては不本意なんだ。この砂糖の、自身の役目に対する誇りの表れが「ヨーグルト用の砂糖」なんだ。自身の職務を高らかに宣言しているのだ。そんな事を瞬時に感じました。
滝沢というのは本来ゆっくり過ごすべき場なのであるが、仕事を抜けてきている都合上、滞在時間は20分程度であった。こんなにあっという間に店を後にするのは初めての経験である。そして、店を出てから気づいたのだけれど「談話室」なのに誰とも談話していない。そもそも一人で入店するのが初めてだ。何もかもが始めて尽くしの、最後の談話室滝沢であった。

*1:4時くらいだった。