逆境を楽しむ

29日が祝日だと自覚していなかった私は、祝日となれば職場に行くのは朝じゃなくても大丈夫、だとしたら今日は実家に緊急避難して食料調達すべきではないかと思い立ち、会社からの帰りに勢いだけで中央線に飛び乗った。この時点で不具合があるとしたら、家を出る際に携帯を忘れたことだ。電車に乗る前に公衆電話から実家に電話をかけ、携帯を持っていないこと、今から帰ることだけ一方的に伝えておいた。
ところが、よりにもよって中央線が、JRが言うには1時間半遅れ*1。帰宅が大幅に遅れることを連絡したくても携帯はない。心配してるよね?うちの両親。ま、いっか別に。とりあえず来た電車に乗って行ける所まで行ったものの、そこで再び30分程度待つはめと相成った。手持ちの本はそれまでの間に既に読みきっていたし、どうしよう。一旦改札から出てコンビニ直行、食料と仕事用に赤ペンを買ってきた。そのとき既に午前2時。先週からずっと忙しいし寝てないし、今週は特に風邪を引いており今日は発熱していた。なのに待ち時間に、純粋に、心から仕事をしようと思った私。そんな自分がちょっとスキ!などと思いながら軽い足取りで駅に戻った。
コンビニ生活に耐えかねて実家に戻ろうとしたのに結局駅のホームでサンドイッチを貪ることになってしまった。こんなことなら普段通りに家に帰るべきであった。しかしそんな事を考えても何にもならないので兎に角仕事。グアム・サイパンのガイドブックに赤ペンでなにやら書き込む私の姿は、少し異常であったに違いない。普通の人が旅行前にガイドブックに赤入れしてチェックするか?しないよね。異常だよ、異常。
実家に着いたのは3時をまわっていた。自分の体調を鑑みて、栄養のあるものを摂取するための行動であったはずなのに、かえって逆効果。しかし途中から私は自身の置かれた状況が面白くなってしまい、どうせだったらこのまま家に帰れず、朝までどことも知れぬ駅の近辺にある居酒屋かなんかで酒飲みながら仕事でもしたら面白いのに、そんな風に思った。3時程度で家に帰れてしまうなどという事は、非常に中途半端である。どうせだったら景気良く、極端にやっていただきたい。
そんな事を思う私はバカですか?

*1:実際はもっと遅れていたと思われる。