「人の顔を見たら笑う病」

に罹っている人がいる。職場の人なんだけど。私の顔を見ただけで噴出す。なんでだよ。随分と前に「そういう習慣があると日常生活に差し障りがあるので改善するように」と忠告したにもかかわらずエスカレートしている。今までは私の顔だけだったのに、ついには他の人の顔を見ても笑うようになってしまった。
「もはや生き物としておかしい。そのような機能は人間には備わっていない」。深刻なレベルになってきたので、かなり厳しくこちらも注意したのだが、一向に治る様子がない。そもそも何が可笑しいのか問うと、私が何を言い出すか想像もつかないので可笑しいのだそうだ。確かに何の前置きもなく彼女の前に現れ、「孤独死が心配だ」と言ったことはある。今日は「東大かなんかでオタクの研究やってる人が書いた本知りませんか?」と尋ねた。しかし「孤独死」は本当に心配だったからだし、「オタクの本」は彼女が某有名国立大学でオタクの研究をし、博士号を取得しているからだ。Ph.D.だ。だから本質的には、回答者の性質を正確に把握した、至極まっとうな質問だったのだ。知り合ったばっかりの頃はスタイルが良いだのバレリーナだのと褒めてくれてたのにさ〜。なんだよ。しかもその褒め言葉だって、強度の乱視の目を通した評価だったしさ〜。なんだよなんだよ。