「出る杭」考

仕事に対して精神的余裕を持ち始めると途端に仕事中に日記を書く人間が私である。「仕事中に遊んでいるなんて!」「いやいや、世の中いろいろあって大変なんだよ、仕方ないんだよ」「そんなの説明になってない!大人は汚い!」。一人、ごっこ遊びをしてしまいましたが、こういうのが中二病って言うんですかね?中二病ごっこ。面白い。今後もやってみよう。ますます孤独な人間になっていきそうだが。
職場の給湯室には紅茶、緑茶、ほうじ茶などのティーバッグが取り揃えてあるのだが、その中から一つ、紅茶のティーバッグが一つだけ全体から少し飛び出していた。おおかた誰かが一つつまみ出した際にその前後にあったティーバッグも引きずられて飛び出し、そのままに放置されたのであろう。マイ紅茶を飲みきった私は背に腹は替えられずこの数日会社の紅茶で我慢しており、その時も紅茶を淹れに来たのであるからその飛び出たティーバッグを使えばよいものの、既に一度誰かにつままれかけながらも選ばれなかったそれを私が選ぶというのは不愉快。飛び出たティーバッグに向かって心中「出る杭は打たずに見捨てる!」と睨め付け、別のティーバッグを選んだ。
数時間してから再び紅茶を淹れに給湯室へと赴いたのだが、件のティーバッグ、未だ飛び出たままだった。私だけでなく他の人々も飛び出たそれを選ぶのを躊躇ったのであろう。誰もが出る杭を打たず、見て見ぬふりをする。日本社会の縮図をそこに見た気がした。なんてね。思ってみただけっス。