散歩の楽しさを再確認

とても散歩向きの天候ではない、というか夏はそもそも散歩するには暑すぎるのだが行ってきた。歩き出してすぐ、もう暑くて暑くて散歩なんかを思いついた自分の企画力を恨んだものだがコンビニをオアシス代わりに頑張った。なんでかって、シベリアを売ってる店があるらしいという情報を得たからだよ。そこはもう歩いていくような距離じゃなくて地下鉄使って行くのがまっとうな大人の判断というものだが、たかだかシベリア買うのに地下鉄ってねぇ。大袈裟じゃあないですか。あくまでシベリアは日常であってほしい。だから歩いたんだよ。途中お寺さんの前を通ったら駐車場があって、それだけだったらなんとも思わないんだけど良く見たら見逃せない文句が書いてあった。
「檀家専用」
なんかカチンときた。私は最初っから駐車場なんか必要としてないのにさ、そもそも徒歩なのにさ、「使わせてください」と言う前から「檀家専用だから」と拒絶された気分。まるで全くなんとも思ってない異性から「オレ彼女いるから」と言われるのに似てる。違うし!全然好きじゃないし!!あ〜、そんな事実は存在しないのにソヤツの発言のために私が彼奴を好んでいた事が真実として世に受け入れられてしまったではないか!ムカツク!!という感じ。地団駄踏みたくなりました。
そんなこんなで辿り着いたその店の名は「オリムピック」、白山にあります。創業1935年だったかね。店名の「ム」に時代を感じさせる。入店すると普通のパンばかりで見当たらない。シベリアって羊羹がカステラでサンドイッチ状態にされているんだよな、と思ったらサンド状のものが全てシベリアに見えてきた。あった!と思ったらカツサンドだったし。全然違う。そうしたらね、この店の場合シベリアはケーキと一緒にガラスケースに入れられて冷やされていたよ。シベリアとアイスコーヒー注文。それだけだと何か、シベリア目当てで来た人みたいに思われて(事実その通りなんだけど)ちょっとイヤなのでカムフラージュにレーズンサンドも購入。店内の隅っこのテーブルでいただきました。ようやくありついたシベリアだけど、まああんまり旨いもんじゃないかもね。えらく甘かったです。でもなんか懐かしい感じ。5〜10年に一度くらいは食べたくなるかもしれない。あるいはこのオリムピックが近所にあったら数ヶ月に一度くらいは食べるかもしらん。

この時点で家を出てから、もう1時間以上は経ってましたね。とりあえず次は谷中方面を目指してみました。そうしたら思いがけず森鴎外記念図書館に出くわした。勿論入りましたよ、涼むためにね。ここには学部生時代授業サボって文京区散策をよくしていた頃に一度来ていたが、その時に見た鴎外のデスマスクが印象的だった。そして今日もやはり印象的だった。デスマスクをとる人はどういうつもりなんですかね。鴎外のデスマスク製作者は漱石デスマスクも製作したらしい。ふ〜ん。
団子坂下って千駄木駅を通過してぐんぐん進んだら結構気になる店があった。一軒は「イリアス」という雑貨屋。もう店名からしてね、気になりますよね。だってイリアスだよ?ホメロスかよ。入店はしなかったもののショウウインドウから見られたものは結構アレだった。

そしてこのイリアスの近くにあった、これは喫茶店なのか?「乱歩」という店があったのだが、ここの看板も見逃してはならぬ逸品であった。

看板をよく見てほしい。「乱歩」の歩の字に小さく「゜」がついている。そして、「味の焦点」って何だ?良く分からん。気になるんだが思わず二の足を踏み断念。そしてぐんぐん進むとこんな店もあった。

愛玉子」と書いて「オーギョーチイ」と読む、と断言したいところだがそれもできぬ。なぜなら看板には「オーギョーチイ」とルビが振ってあるが、食品サンプルと共に飾られたメニューには「オーギョーチ」とあるからだ。表記の統一がなされてない。すっかり私はこういうのに敏感な人間になってしまったよ。赤字で「ソロエル」とか書きたくなってしまった。そして「愛玉子」とは何かというと台湾のデザートらしい。この店にもかつて大学をサボって来た事がある。思えばあの時代は充実して幸福だったなぁ。こういう散歩を大抵一人でやってたんよ、私。ていうか今日も勿論一人なんだけど。で言葉を発することなく一人あれこれ妄想したりすんの。楽しいなぁ。気力が充実していたからこんな散歩をしょっちゅうやれてたんだな、あの頃は。
そしてもうちょっと進んだらまた良さそうな店が。なんか古い民家改造してカフェになってた。居心地よさそうだな…、と思ってたら、反省。そのちょっと先に本物の古い喫茶店があった。

やー、この店にはかなわんでしょ。店の壁面にはこんなのもあったんだぞ。

ここはもう上野桜木あたり。ちょっと行けば芸大だ。これまで進んだ道を逸れればイナムラショウゾウがあるけれど、ここのケーキはあんまり良い印象がないのでそのまま上野公園に突入し、上野駅の脇を通ってアメ横へ。実際もう大分疲れてて電車に乗ろうかとかバスに乗ろうかなどと考えたんだけれど、何でかわからんが頑張ってしまった。こう、決めたことは守らなきゃみたいな、何に対する義務感なのかは分からないけど、「歩かなきゃ!歩くって決めたんだから!!」みたいな。ヘンなの。
今日の日記長いな〜。でもまだ続くんだよ。だってね、今日のもう一個の目的はアメ横にあるめちゃめちゃ長いソフトクリームだ。こないだテレビで見たんだけども、ソフトクリームが通常の3倍くらいなの。溶かさずに食べきれるのか全然自信がないのだが、キョロキョロ挙動不信にソフトクリームを探し回った。でも、ごめんなさい食べられませんでした。いや、店自体は見つかったんだけどさ、いい年して一人でソフトクリームなんか食べながらアメ横彷徨うのはちょっとイタイかな、と思って。ハイ、私の完敗です。これにて今日の散歩終了。御徒町から電車乗って家に帰りました。
いやもうエライ疲れました。家帰って「とりあえずビール」やったら眠くてもう。2時間くらい寝ちゃいました。そうしたら女子高生にいじめられる夢見てうなされてんの。辺りは夜、実家にいた私は何かを感じ取って玄関のドアを開けるのだが、そうしたらちょっと小太りの小学生男子がいて人んちの庭に入ろうとしてんの。ボクダメだよ〜と諭したら頷いて帰ってくれたのだが、家に入ったらまた何か気配を感じたので玄関に。そうしたら今度は女子高生がいて、勝手に人んちの敷地内をうろうろしながら家の中覗こうとしてた。ちょっと、なにやってるの、と言ったら、学校の宿題で家庭で使われてる廊下と壁紙の色調べないといけないんです、とか訳わかんないこと言いながら家の中を覗くのをやめようとしないから、宿題とはいっても許可求めずにやるとはどういう了見か、と問い質したら女子高生が鼻先で笑いながら、アンタなんか高校生のとき大して勉強しなかったんでしょ、と本当の事を言ってきた。だからこっちもつい必死になって、確かに勉強してなかったけどちゃんと大学にも行ったし大学院で研究もしてたもん!と自己主張したら相手がちょっと途惑ったような表情を浮かべたので勝利を確信したのだが、そうしたらこんな切り替えしが。どんなに勉強してたってもうオバサンじゃん、オバサン!オバサン!!こっちももうすっかり相手のペースに乗せられてしまい女子高生を両手で押しながら帰ってよ、帰ってよというばかり。
なんか書いてて思ったのだが、かわいそうじゃないか?私。そんなんですっかり疲れてしまい、結局そのあと12時間睡眠。ゆえに19日の日記を20日に書いているという次第です。女子高生にオバサンといじめられた私ですが今夜は「三十路倶楽部への決心を固める宴」或いは「ダーティサーティ」(←早口で。ノリよく)に行ってまいります。