ビルマ・アヘン王国潜入記

高野秀行著 \1995 草思社 ISBN:4794208499
相変わらず書くネタがないので過去に読んだ本について。といっても1週間前に読み終わったばかりだが。
ミャンマーにワという州があり、そこら辺一体がケシ畑というとちょっと間違いなのだが、ゴールデントライアングルと古くから呼ばれる有名なアヘンの産地がある。著者は学生時代には早稲田の探検部に所属しており、秘境探しに並々ならぬ興味を抱いていたのだけれど、とはいってもこの現代になかなか秘境なんてあるもんじゃない。ということで「政治的秘境」であるワ州、ゴールデントライアングルに潜入、というノンフィクションである。
でも堅く捉える必要はなく、肩の力を抜いて読んでも十分に面白い。ワ州に入り込んでアヘン栽培の手伝いと言うか寧ろ足を引っ張ったり、村人たちと「ア」「ア」と言い合って酒を飲んだり。もともとワ語には文字がなかったのだけれど現在ではアルファベットで表記したりしているので、村の子どもたちにワ語を教えて*1発音が悪いと叱ったり。最後にはアヘン中毒になり、村人の制止に対して嘘までついてアヘンを吸う始末である。
と書くとかなりいい加減に映りそうなもんだが、勿論実際はそんなわけでもない。しかしさぁ、本当に面白いところを私がここで書いてもねぇ。興味持った方は自分で読んでください。損はしないと思います。面白いです。去年、宮田珠己によってミャンマーの面白さに目覚めた私だが、ますますミャンマーが興味深くなった。年末にどうにかして国外逃亡できないか企てているのだが、ウラジオストクはやめてヤンゴンとがマンダレーにしようかとも思う。とまれおすすめである。

*1:しかし本人はワ語を喋れない