頭の中身を読まれる

昨日実家に戻り、そして本日自分の家に戻る間のことである。電車の中に乗っている際に、今日はノリエットのリンゴのタルトが食べたい、食べよう、絶対食べるんだ、と心に決め、池袋に着いた途端にISP内のノリエットに直行。いつもの感じのいいお兄さんがいることを視界の隅で確実に捕らえつつも眼の焦点はショーケースに固定。探すは勿論リンゴのタルトである。
…ない。売り切れてる。
このときの私の失意と絶望が理解できますか?あまりのショックに目が死に、普段はニヤケの止まらぬ顔でケーキを物色するのだが、このときばかりは何を買えばよいのか分からず茫然自失としてしまった。
大分長い時間をかけて買うケーキを決定し、モンブランとシュークリームにしたのだが注文するその声にも覇気がなく、包んでもらっている間も心なしか人生の黄昏時を迎えているような錯覚を覚えた。包み終わったケーキを受け取って立ち去ろうとしたその時である。
「今日は割と早い時間にタルト・オ・ポンム*1終わっちゃったんですよ」
何故ばれたのだ、私がそのケーキを求めているということを。吃驚しつつも感泣きの声で「今日はあのケーキがどうしても食べたくて買いにきたんです…」と答えると、
「そうですよねぇ、やっぱりそうですよね。あれ、美味しいですよね」
なんか書いてていまいち興がのらないなぁ。劇的にしようとするあまり、つまんなくなってきたのか?要するにですよ、何故彼に私の頭の中を読まれたかと言うと、前回、初めてこのリンゴのタルトを食べたときにあまりに美味しかったので「滅茶苦茶美味しかったです!」とお店のお兄さんに報告に行ったんですよ、私は。お兄さんって言っても絶対私より若いけどね。その時に私が感じた美味しさと喜びと感動を切に語り、そして聞けばこのタルトだけは下高井戸の本店じゃなくて、池袋のお店でお兄さん自ら作っているそうなので、ああまで私が感激しているのを目の当たりにし、お兄さんとしてもきっと悪い気はしなかったことでしょう。ゆえに、きっとお兄さんの中で私は「リンゴタルトの女」と認識されたのでしょう。なので今日、頭の中身読まれたというわけでしょう。ということで今日のポイントはコレです。
「ケーキ屋さんのかわいいお兄さんに顔を覚えられていて、とてもとても、とっても嬉しかった」
以上。

*1:リンゴのタルトのこと。