遂に。

2回ほど門前払いというか、門前に至る前に入店待ちの男性陣の憎悪の念にやられて退散したメイド喫茶に、遂に昨日入店を果たした。またしてもPTSDで入店する前、ビルに一歩足を踏み入れただけで動機息切れがし、手足が冷たく冷え始め、このままでは私はどうにかなってしまうのではないかと思ったが、本日はその恐怖を分かち合った相手であるちるさんに、ちるさんのお友達でメイド喫茶に詳しいお二人もいらっしゃったので、彼らの影に隠れて付いていったのでなんとかなった。店前で入店待ちをしている人々が殆どいなかったのも、今回「入店」という勝利を勝ち得た一因であろう。
店内は主に二つのスペースに分かれており、一方は、まあ普通、という感じなのではあるけれど、もう一方は学校でしたね。黒板あったし。学校の机と椅子が横並びになってて、全部前(=メイドさんが働く方向)を向いてたし。こうしてみると過去2回、何故私があそこまでこの店の愛好者に憎まれなくてはいけなかったのかよく分からない。確かにメニューに「エンジェルたちとじゃんけん」みたいなのが載ってたけどさ。注文とる時はメイドさんたち、両膝を地についてたりしてたけどさ。でも他にも女性客いたし。ちょっと前にテレビで紹介されてしまったがために敷居が低くなってしまったのだろうか。
そんなんで割ともう、こちらも普通に楽しんでしまってたのだが、予想外の椿事が出来*1した。10人以上もの団体さんが入店したのだけれど、それがどうも「ネットアイドルを囲む会」風であったのだ。で、よりにもよって彼ら、学校席に座ってしまったもので、全員横並び、3列になって授業受けてる風に前方を向いているのだよ。紅一点の女性(ネットアイドルか?)は2列目の一番端に座ってしまったために、前列と後列の、彼女とは反対側の端に座ってしまった人々は実につまらなそうで虚ろな眼をしていたよ。彼女の真後ろに座っていた男性などは顔に青い光が反射しており、恐らく彼女を振り向かせるべくノートPCを駆使しているようであった。
そうこうしているうちに私たちの隣のテーブルではメイドさん志望の女の子の面接が始められ、どんな会話をしているのか懸命に耳をそばだてたのだが殆ど聞き取ることができなかった。その間我々のテーブルでは一切会話がなく、全員が聞き耳立てていたようで、考えようによってはその我々の状況の方が異常といえば異常であるのだが、思いがけぬシーンを目撃でき大変僥倖であったと思う。
(つづく)

*1:ちんじがしゅったい、と読んで下しさい。「魔の山」風にね。