誰か買ってください

もうヤダ。ペリカン、スーベレーンが見つかったと思ったら今度はシャネルのネイルが10本ぐらいまとめてごっそり無くなってる。そりゃ最近私は爪の手入れを怠っていたけどさ、だからといって10本まとめて失踪することはないだろう。早く帰ってきてください。待ってます。帰ってきた暁には毎日ちゃんと爪の手入れをすることをここに誓います。
思い出した。引越しの際にヴィトンのバッグがつぶれないように詰め物をし、ついでにその中に入れておいたのであった。食糧備蓄のために木の実を地中に埋めたまま、その存在を忘れてしまったリスのようだ。げっ歯類並みの記憶力。さっそく件のバッグを見てみたら、あった。ネイルのほかにティファニーの箱が3つも入ってた。私、ティファニーなんか持ってたんだな。なんなんだ、今日の日記。ブランドの名前がやたら出てきて私じゃないみたいだ。本当はミャンマーの仏像写真飾りまくりの変な部屋の住人のクセに。ちなみに同じバッグの中から「正チャンの冒険」の切手も出てきました。こっちの方が私らしいな。
ところで今、とても欲しいものがある。

象は世界最大の昆虫である ガレッティ先生失言録
池内 紀編訳 白水Uブックス ISBN:4560073791

すごく欲しい。本当に欲しい。白水Uブックスだし高くもないんだから買っちゃえばいいじゃん、と思わないでもないのだけれど、この度の引越しで改めて積読のかさを認識し、かつ部屋の本棚のキャパシティを鑑みると暫し書籍購入は見合わせるべきであろうことは疑う余地もなく、ここは自粛するのが大人の判断であるといえよう。だけど欲しい。ということでここに私は一つの解決策を見出した。誰かからプレゼントされればいいんだよ。私は買うことは出来ないけれど、人が好意でくれるというものを拒否するわけにはいかないもんね。仕方が無いよ。だから誰か買ってください。ピープス式に資金援助しても良くってよ。この本、本当に面白いんです。18世紀末にドイツで教鞭をとっていたガレッティ先生の失言を集めた本で、タイトルの「象は世界最大の昆虫である」などもその一つである。他には「カエサルはいまわのきわの直後に死んだ」とか。立ち読みした中で私の一番のお気に入りは、こんなものであった。正確じゃないかもしれないが書いてみると、

カール大帝が死んだのと同様に、シャルルマーニュもまた死んだ」

最高。どうやったらこんな発言をすることが可能になるのかね?謎だよ。ちなみにカール大帝シャルルマーニュは同一人物です。シャルルマーニュはフランス語読みですな。イタリアではカルロマーニョになります。
パラパラ見ていると象に関する失言が多々あって、こういった誤謬は私にプリニウスの博物誌を想起させるよ。要するに象に関しては、失言というよりは「象」という生き物を見たことがないために生じた過ちのように思える。現代のように写真で見たりすることもなかっただろうしね。兎に角欲しいです。誰か買ってください。買ってくれた方にはチェコで私が買ってきた素敵なブックマークを差し上げます。なんか人にあげずに大量に余ってたんだよ。こういうものが見つかったのは引越しのお蔭ともいえるので、引越しをして良かったのかもしれない。画像は、自分で撮ってアップしても良いのだけれど面倒なのでここを見てください。ホラ、欲しくなったでしょ?さあ今すぐ書店に走って「象は世界最大の昆虫である」を買ってくるのです!