教養がない

金井美恵子「道化師の恋」を読み始めた。先月中旬くらいまでは私の中で金井美恵子ブームがおきていたのだけれど、グアム、引越、実家での暮らしが面倒くさい等などですっかり縁遠くなっており、暫くはごく軽い本を気晴らしに読むんでよいかな、などと思っていた私はばかだねぇ。やはり面白いよ。まだ60頁くらいしか読んでないけど。こういう小説を読むことができるのは、幸せなことだなぁ。なんとも言いようのない幸福をかみ締めながら読んでおります。
作中に三島由紀夫「真夏の死」とナボコフ「初恋」が同時に出てきて、それで些細なことを思い出した。以前私が友人と昼食を摂っていた際に「ロリータ」を読み始めたと告げると、3%くらいの呆れを含んだ微笑を浮かべながら彼女は「なんでよりにもよってそんな本を(=あなたって本当に変わってて面白いわね)」と言ってきた。私はまさかそんな反応が返ってくるとは思わなかったので困惑しつつも薄ら笑いを浮かべ(最低だ)、そう?とかなんとか答えた気がする。まだほんの数頁を読んだだけだったので、ひょっとしたらこの本はかような反応を返させる類のものなのかもしれないと適当に濁したけど、今にして思うとあれ、ナボコフ知らなかったんだろうね、多分。ロリータを少女の名前とは知らず所謂ロリコンのロリータだと思ったのでしょう。本末転倒だな。今まで私はナボコフなんて滅茶苦茶有名だと思っていたのだけれど、それはやはり世界が狭くて視野狭窄ってことなのでしょう。教養もさしてないのに視野も狭いなんて最低だ。もっと客観性をもちつつ教養を身につけたい。
ああ、私はなんて教養の無い女なんでしょう。物知らずにも程がある。世の中に知らないことがこんなにも沢山あるなんて!もっと若い頃から頑張っておけばよかった。大して映画とか観てないし。本も全然読み足りない。金井美恵子を読んでたら本当にそう実感しました。明日から強化月間ということで日に1本は映画を観ようかしら。特に日本映画。学部生時代は週に1度は映画館に足を運んだものだけれど全然足りないね。日本映画はほとんど見てないし。年ばっかくっちゃって何も身についてないよ。いじけちゃいそうだ。