またしても貼り紙の話

昨日の日記につけられたちるさんのコメントで思い出したこと。学生時代に入っていたサークルでのことなのだが、このサークル、主に活動は駒寮内の一室*1で行っており、時折寮内のほかの部屋から読経が聞こえてきたりとかなり怪しげではあったのだが、部室を他に持っているのに何故かこの部屋での活動が常であった。
めったに部室には行かないのだが、いつだったか用があって部室に赴くと壁に妙な張り紙が。問いただすと私の一学年下の男子が貼ったらしい。どうもその彼、坂口安吾に心酔していたらしく「生きよ堕ちよ」って書いてあり、いくら安吾が好きでも不特定多数に見られる状況でこういうものを書いて貼るという軽薄さが私としては気になってしまった。余計なお世話だろうけど。貼った本人に対峙してちょっと威圧的な雰囲気を漂わせながら「安吾のどこが好きなの?」と問うてみたのだが、そうしたら返答も軽いの。でいろいろ突っ込んでみたら最終的には「堕落論は読んでいない」と白状しおったよ。
全然お話になんないじゃん!と叫んだら、あとになって私のいない所で「いつかアイツ(私のこと)をやりこめてやる」と言っていたらしい。なんだかねぇ。私も彼のいないところで彼に伝わるように「やれるもんならやってみろ」と言っておいた。ちなみにワタクシ、口論で負けたこと一度もありませぬ。
本当のところ彼は今はなき「知ってるつもり」(TBS)で安吾特集を見て感銘を受けただけらしい。ますますお話にならん。

*1:サークルのメンバーが住んでいた部屋。この部屋に入寮する新入生は毎年自動的に私の所属していたサークルに入部させられていた。そこの部屋で活動する権利を得るためにね。