ルパン・レポート

今日は日曜日なのであるが、全く何もしていないので記憶がない。記憶がないのも当然で、日中を大半寝て過ごしていたのである。人生を損してますか?
ということで書く事が何もないので先週のルパンについてレポート。何が面白かったかって端的に言うとお店の、あの人はどういうポジションの人なのだろう、かなり年配の女性の、店員と書くのを憚られるような貫禄のある、しかし店主というほどではなさそうな、そんな雰囲気の方がいたのだが、その人のキャラが私にとっては相当印象的であったというだけのことなんだけれど。注文を取りにこられた際に私はメニューにあった【ルパンのおすすめ】であるチャーリー・チャップリンというカクテルの名を告げたのだが、それを私が言い切るのも待たずに何かスイッチが入ったかのような勢いでこのカクテルの主な成分、つまり何と何で構成されているのかという事を述べられ、そして私はそれを私に告げることによって彼女が何をしようとしているのか、或いは私に何を求めているのか、そこんところが全く分からず、ただひたすら畏まって「ハイ」と相槌を入れる事しか出来なかった。
そしてとりあえず彼女のその勢いが納まった頃合に隣にいたケイティさんが「ジンジャーレモン」と告げると今度は「ウチのはウィルキンソンジンジャーエール使ってるから辛いよ?大丈夫?飲める?レモン入ってるからすっぱいよ?モスコミュールにする?」と畳み掛けるように告げられてケイティさんまで畏まって(いる風に私には見えたのだけれど)、「ハイ、でも、これでお願いします」と大変低姿勢。それからちるさんが「モスコミュール」と言うと何故かそれはモモコさんが注文したことになっていて、ちるさんには「あなたパイナップルジュースね」とこれはモモコさんが注文した分を言い、注文するのも楽じゃないけどとりあえずオーダー完了で一安心、と私が一人で精神をゆるませ始めていたらその心のスキがばれたのか私のほうに向かって「あなたはじゃあ何にするの?」と言われてしまった。
ひとまず我々一行の注文を取り終え、そして頼んだ品がそれぞれ供されて落ち着きを取り戻した頃にふと目線を隣のテーブルに遣ると、今度は隣が同じ女性から注文を取ってもらっていた。大丈夫かナァという心配と興味本位と半々で眺めていたら、隣のテーブルのメンバーのうちの一人の女性が「ブラッディメアリ」とか何とか言うと例の女性が
アレキサンダーアレキサンダーアレキサンダー
「…ハイ」
と押し切られていて面白かった。
とまあルパンにおける私の面白体験といったらこんなものだったのだけれど、よいお店でしたよ。通いつめて常連になりたいと思うくらい。ミーハーですかねぇ、やっぱり。でも雰囲気が良かったのです。変に小洒落てなくて。作られた古さじゃなくて本物の古さで。大体私は酔うと醜態をさらすと決まっているので普段バーに行く習慣はなかったのだけれど、これを機にバーに通う大人の男みたいに振舞ってみたいと思います。男のバー。