村上龍に若干の親近感

職場に大変怖い人がいるのですが、彼はなんだかいつも辛そうで苦役を課せられているような顔立ちでおり、こちらが話し掛けるととりあえず返事はため息。逆にこちらが彼に質問された場合には希望していた返答と違うことを言うと失笑が返ってきます。最初はこちらもハラハラドキドキしながら話し掛けていましたが、最近では最早度胸試しの域ですね。何かをお願いした場合などはため息脱力、身体に力が入らないらしくクネクネしながら歩き、これが漫画なら右目の代わりに「辟」左眼の代わりに「易」、あわせて「辟易」と描かれているところであろう、というレベルで、若干のおかしみを誘います。しかしあんなに辛そうに、大変そうにしている彼の前でニヤついたりしたら逆鱗に触れるとも限らないので懸命に自粛している所です。おそらく20代半ばくらいだと思われますが、ここまで自分の感情を抑制できない(或いは抑制しない)人も珍しいなぁ、面白いなぁ、と楽しんでおります。だけどこういう刺激はたまにでいいですね。毎日じゃなくていいです。慣れてしまったら刺激になりませんから。眠くてしょうがない時などに話し掛けると良いかもしれませんね。眠気覚ましに。
ところで昨日テレビ東京の「カンブリア宮殿」という番組を見ていたらはてなの近藤さんとミクシィの笠原さんが出演しておりました。二人とも今30歳だそうで私と同世代。この番組、ちょっと前に初めて見てそこそこ面白いと思ったのですが、昨日は観覧席に集められたのが全員女子大生だったので興ざめ。なんでそういうフィルタリングをかけるかね。会場からの質問を受けるという段では、どこぞの女子大の学生が「座右の銘は何ですか?」と質問しておったよ。座右の銘!なんちゅう詰まらん質問かよ。そんなもん聞いてどうする。そして聞かれて「僕の座右の銘は…」などと迷いなく答えられたらどうする。そんな人間でよいのか!そんな人間に魅力を感じるとでも!?結局笠原さんはう〜んう〜んと唸るばかりで答えられず、近藤さんは確か「人生は大いなる暇つぶしである」とか何とか答えておった。この座右の銘はそんなに嫌な感じじゃないけどね。ここで「栄光に近道なし」とか言われたらやだね。でも「地獄の沙汰も金次第」とかだったらちょっとだけ面白い。本気で言われたらやだけど。
悪態つきつつじゃあ私ならなんて答えるかな、と脳の一部で考え、漠然と「明日できることは今日やるな」かな、と思ってみたり、それじゃあ座右の銘じゃないじゃん、現状がそうなってるだけじゃん、と事実に気付きやはり答えられるようなものはないと思っておったら村上龍(村上龍は毎週出ている)が「明日できることは今日やるな」って言ったんだよ!私の頭にあったことを読まれたかのような錯覚と意識過剰。あんまりこれまで彼に興味を持ったことはなく、今後も多分興味を持たないんだけどこの時ばかりは若干シンパシーを感じました。