コマダムにもモテる

コマダムって、全部カタカナ表記で正しいんですか?それとも小マダムですか?小マダムが正しい気がしてきたぞ。兎に角なんだかよく分かりませんが、私は小マダムにモテるみたいなんですが、正直鬱陶しいです。数年前イタリア語のレッスンに通っていた時分は主に仕事が教育産業であったために午前中は暇で、だから平日の午前中のクラスを選択していたためか、稼ぎの良い夫を持つ余裕のある婦人が多く、その時もなんだかよく分からないんだけれど滅多矢鱈に私を食事に誘う人がいて、私と喋ってて何が楽しいんだか知らないけどえらく楽しそうに高級イタリアンとかに連れて行かれて「ここはお安いわよね〜!」とかドイツのどこかの空港はブランドの店が充実しているとか、「これは私、自分のお金で買ったのよ」とカルティエだかなんだかの徒刑、じゃないや時計を見せられたりして、いい加減ウンザリしたのでメールが来ても適当に濁すようになったのだけれど暫くお誘いのメールは続いたりしていたのであった。
そんな話もとっくに過去のものとなり、すっかり忘れてたんだけど現在は若干アテネフランセで「小マダム」にモテてます。彼女の親しい友人のことを小マダムとか言っていたので、恐らく自分自身のことも小マダムだと認識してんだと思います。いきなり「ペンシル貸してくださる?」とか言われて吃驚して動揺しつつ二束三文のペンを差し出したらそれは必要ないとのこと。ペリカンとかデルタの万年筆だったら満足してもらえたかもしれないけど、万年筆は相手が親だろうと偉い人だろうと何だろうと絶対に貸さないもんね。変なクセつけて返されたらこまるじゃん、万年筆に。聞いてもいないのに夫の仕事で先月までマレーシアだかシンガポールだかに住んでいたなどと話し始め、私としては「そうなんですか」としか返せないので全く話は弾まないのですが、こちらも何か喋んなきゃいけないかと思って以前イタリアに行っていたことがあると話したら、「イタリアは大変じゃありません?東洋人は低く扱われて」などといわれて仰天。私の経験では欧州の中でそういう東洋人差別が一番少ないのはイタリアなんだけどね。ていうかイタリアに数ヶ月いた間、どんな田舎に行っても差別なんかされたことないよ。チェコの田舎に行ったときは店に私が入った途端に中にいた人間全員にドン引きされたことはあるけどさ。ということであまりにも予想外なことを言われたので目を丸くして暫し絶句、その後たどたどしく「…そんな、経験は…、私はしてないですけど…」と言ったら、なんか思惑が外れたみたいな顔をしながら「私のお友達がローマに住んでいたときは小マダムみたいな格好をしていないとダメだったんですって、高級住宅街に住んでいたから…」だって!知るかよ、そんな話。
その後も暫く「マレーシアから日本に荷物を送ったことがありますけれど、何回かは途中で荷物がなくなってしまって…。こういうのって悲しいですよね、日本人の荷物だから盗みたくなっちゃうのでしょうけれど」だとか「イタリアは郵便も交通もちゃんとしていなくて、大変ですよね」とか話されてほんとに鬱陶しい。この手の話が好きな人になんで気に入られるかね、私は。この小マダムさんに限らず、海外に行って日本と同じように社会が回っていないと言って憤慨している人は、ずっと日本に納まってればいいんじゃないですか?小マダムにモテるくらいなら、職場でチラ見され続けてるほうがまだいいです。
アテネの授業が終わった後、休日出勤。今日もチラ見されるかと思ったら件の彼女は体調不良でお休みでした。アテネから職場に向かう道中、中央線の中にジャニーズのイベント帰りと思しき10代の女子が2名。応援団並みの重装備でいたのだけれど、その荷物の中にうちわが入っていることが確認できてちょっと感動。本当にうちわ使ってんですね。NEWSにももうちょっとお金かけてくれればねぇ、と軽くジャニーさん批判をしていた彼女たちが抱えていた袋には「関ジャニ」の文字が。これ「かんジャニ」と読むんですよね?初めてその名を目にした時は「せきジャニ」と読むのかと思って、関アジ関サバの仲間みたいだなぁと思いました。