未だ抜けず、鰻の骨

昨日の病院での顛末を事細かく書こうと思ってたけど、面倒くさくなっちゃったからもういいや。要するに待合室で、窮地に立たされた場合にどのようにそれを切り抜けるかイメージトレーニングを繰り返していたけれど、実際にはお医者さんは良い人でやれる限りのことはやってくれたってことだよ。なんかもう、口の中録画されて、大画面に映し出された自分の口の中を先生と二人で確認して、それでもよくわかんないから最後はハナのアナからカメラ入れられてまたしても録画されてそれを再び二人で確認したんだけど、ハナにカメラを突っ込まれているときは本当に大変で、クシュンクシュンおえっ、クシュンおえっとハナ通過中のケーブルにくさめがでるし、ケーブル先端のカメラが舌の付け根にあたって吐きそうになるしで、なんで自分がこんな状況におかれてるのかわからなくなるくらい混乱したけれど先生ったら至って冷静、ちょっとアレルギーありますねぇ、とか何とか言われて最後はハナのアレルギーのためのハナから吸引する薬を吸わされて、治療予定じゃない部分を治療されて帰ってきたんだよ。骨を探してる最中、先生にベロつかまれながら「え〜」などと発音させられてそうとう無様だったのだけれど、その様子を看護婦たちが無表情のままじっと見てくるので「やめろ!見るな!見るんじゃない!!」と叫びだしたい気持ちにもなったが、録画されたハナから喉の間の様子は滅多に見られる映像じゃなかったので、純粋に「いいもん見られたな」と思いました。
ここまでやってもらっても鰻の骨は見つからず、先生は医学書をひっぱってきて図と写真を多数私に見せつつ喉の構造を説明し、今見たあたりに骨が見つからないのであれば他に刺さる余地はほとんどないということ、現時点で扁桃腺が若干腫れているので今の痛みはその痛みなのではないか、などと言われ、私の鰻の骨のためにここまで尽力してくれた先生に対して私は「ハイ」と答えるしかなかったのでした。とりあえず抗生物質を処方され、もっと悪くなったらまた来院するように、なんともなければ来なくていいです、と言い渡されました。
扁桃腺の腫れによる痛みも感じないわけでもないけれどこの刺すような痛みは確かに鰻の骨。私の喉には確実にまだあれが刺さっているものと思われます。このまま一生とれなかったらどうするのかね、と母にポツリと漏らしたら、また病院行けば何か薬で骨を溶かしてくれるわよ、などと返されました。骨が解けるなら喉も解けるだろ。私、このまま鰻の骨を喉に刺したまま生きていかなくてはならないのかしら。いやあね。